もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品　改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション) の感想

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近年注目度が増しているいる若冲の人物と作品についての解説書です。改訂版ということで収録作品とコラムが増えました。追加収録作品の中には、先年発見された「象と鯨図屏風」も含まれていて、アップトゥデートですね。

若冲の年譜を述べ、時代順に作品を紹介し、折々にコラムを入れて立体的に若冲を理解できるように構成されています。彩色画あり、水墨画ありと若冲の多才さが堪能できますが、圧巻はやはりなんといっても「動植綵絵」でしょう。

30幅すべてが収録されているうえ、随所で部分のアップを採り上げその描法をわかりやすく解説もされています。それにしても、若冲の描写の緻密さと豪華絢爛ともいうべき色使いには舌を巻くばかりです。

「動植綵絵」もふくめてふだん実物をなかなか見ることのできない作品が大半ですから、これだけの作品が収録されているというのは実に値打ちものだと思います。描法や人間関係についてのコラムも若冲理解には役立ちました。

内容の充実度と価格を考量するとお得なのではないでしょうか。シリーズのタイトル名「アート・ビギナーズ・コレクション」のとおり、若冲入門書としては最適の一冊だと思います。0