私家版 差別語辞典 (新潮選書) の感想

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タイトル私家版 差別語辞典 (新潮選書)
発売日販売日未定
製作者上原 善広
販売元新潮社
JANコード9784106036798
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

著者には『日本の路地を旅する』という大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した労作がある。
その副産物とも言うべき著作が本書である。
様々な「差別語」が、なぜ生まれ、今はどうなっているのかを考察する。

「路地」という言葉はもともと中上健次が使い始めた。
中上の育った被差別部落は路地を挟んで家と家がひしめいていたからである。

車善七は代々受け継がれた由緒ある被差別民の頭領の名前である。
吉原のお歯黒どぶの外に陣取ってその治安を守るのが仕事だった。
山田洋次監督は テキ屋も属するこの集団を知っていて主人公を車という姓にしたのだろう。
車寅次郎をアニキと慕う源公はまた帝釈天の番人である。これも車善七の配下であった。

歌舞伎役者は、自分たちが河原で暮らすものとは仲間ではなく、商売人だと示すために店を開いた。
それが市川團十郎家の「成田屋(なりたや)」や 尾上菊五郎家(おのえきくごろうけ)の「音羽屋(おとわや)」である。
これらはそもそも商家の屋号がその由来なのである

弾左衛門(だんざえもん)は、江戸時代の被差別民の偉大な頭領である。幕府から関八州・伊豆全域、
及び甲斐都留郡・駿河駿東郡・陸奥白川郡・三河設楽郡の被差別民を統轄する権限を与えられた。
家は明治期まで続き、子孫は弾を苗字とし、名前は直樹、弾直樹を名乗った。弾厚作氏は知って名付けたのだろうか。

こう行った知識が実に詳細に綴られている本書は、
差別を知り、差別を肯定する人を増やさないためには是非必要な書物である。

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