地形からみた歴史 古代景観を復原する (講談社学術文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 地形からみた歴史 古代景観を復原する (講談社学術文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 日下 雅義 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062921435 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
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購入者の感想
畿内に住んでいる人、特に大阪に住んでいる人には身近な地名があふれています。近所のあの地名が古代から続いていたりすると感慨深いものです。一つ賛否が分かれそうなのは途中で海外の事例の紹介が長々と挟まること。筆者が難波津の位置の比定に学識を傾けているのを念頭に置けば、科学的に比較の視点を確保するためにそうしていると理解する必要がある。そうするとむしろ、新説を説明するにはむしろコンパクトだと理解できる。
また、地元の自治体の工事の記録を使った分析も面白い。都市での考古学に公共工事が役立つというのも印象的だ。民間企業の開発は大規模に見えて実際には点に過ぎない。自治体は長期間にわたって面で開発を行い、議会や国に提出するために記録が充実している。民間企業は情報提供を行わないのが基本だが、自治体は情報公開条例に基づいてかなりの情報を提供してくれる。こうした学問の材料としては好適だ。
とっつきにくいが、考古学の関係者だけでなく、自治体の職員にも読んでもらいたい一冊です。
また、地元の自治体の工事の記録を使った分析も面白い。都市での考古学に公共工事が役立つというのも印象的だ。民間企業の開発は大規模に見えて実際には点に過ぎない。自治体は長期間にわたって面で開発を行い、議会や国に提出するために記録が充実している。民間企業は情報提供を行わないのが基本だが、自治体は情報公開条例に基づいてかなりの情報を提供してくれる。こうした学問の材料としては好適だ。
とっつきにくいが、考古学の関係者だけでなく、自治体の職員にも読んでもらいたい一冊です。
数千年前の地形が見事に復元され、それを目の当たりにするような解説がすばらしいです。特に表紙カバーの大阪平野の古代地形は、今とはまったく違うことが、日本書紀などの記述にも反映されているという説明には、迫力があって引き込まれてしまいました。かなり以前に著者が著した著作の復刻版のようですが、今でも十分通用するすばらしい一冊だと思います。