感染症レジデントマニュアル 第2版 の感想

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タイトル感染症レジデントマニュアル 第2版
発売日販売日未定
製作者藤本 卓司
販売元医学書院
JANコード9784260017602
カテゴリジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 臨床内科 » 感染症

購入者の感想

(1) 〈 評 価 〉

非常に良い本である  使い勝手がとても良い

ちなみに私は「抗菌薬マスター講座 岩田健太郎先生」「感染症プラチナマニュアル」「サンフォード感染症治療ガイド」「レジデントのための感染症診療マニュアル」を持っているが ー 「感染症専門医」以外の医師にとっては - 本書がベストではなかろうか

特に「内科以外の医師」にとっては ( ← 現に私は内科医ではない )

(2) 〈 特 長 〉

① 「薬の背景・処方のアドバイスが述べられている点」

例: 随所に以下の様にサラリと言及してある医学書は - 私には - 本書が初めてであった

「PCG」 : 「あまりにも廉価であった為かわが国では発売中止となった」  P365

「AMK」 : 「添付文書どおりの用量ではまず効かない」  P383

② 「文体が心地よい」

内容も素晴らしいが - 文体も凄く心地良い ( この様な書籍でここまで素晴らしい文体は稀である )

ユーモアのセンスが - 時に古くさいことだけがやや残念 ( 例 : P265 「肺結核の画像はまさに “怪人二十面相”」 )

しかし本書の長所はその様な些細な短所を補って優に余りある

ちなみに岩田健太郎先生の本は ー 「会話口調」で書かれているので ー やはりとても読みやすい

(3) 〈 共 通 の 難 点 〉

それにしてもこのような本に共通して言えることは - 「医療資源に恵まれていない現場の医師」にはかなり理想的に過ぎると言うことだ

特に「今日の治療指針」に至っては常に ー 「当院では絶対無理だ !! 」 ー と慨嘆しまくりの「治療指針」がズラリと記載されている

現場において実際に必要とされているのは - 「 医療資源に恵まれていない医師への『今日の治療指針』 」 - なのだ

また本書で著者が超重視している「グラム染色」の臨床的な意義はよく分かるが -

初版から9年経ち、80ページ弱の増となっています。
今回の改訂では、これまでの知見で研修医や一般医にとって必要なものを選んでくれており、変に詳しくなりすぎていません。
むやみにいろんな知識を載せようとするのではなく、重要なものに絞っているというのが大きなポイントだと思います。そのため、マニュアルの持つ簡便性も損なっていません。
その中でも、グラム染色の重要性については繰り返し述べられています。巻頭のアトラスが増えているのも、そのメッセージでしょう。

この改訂で、新しくなった部分を少し挙げてみます。
各論では、以下の項目が新設。

・人工呼吸器関連肺炎
・ペースメーカー、埋込み型中心静脈ポートの感染症
・トキシック・ショック症候群
・劇症型A群連鎖球菌感染症
・急性硬膜外膿瘍
・腸腰筋膿瘍
・人工関節の感染症

トキシック・ショック症候群と劇症型A群連鎖球菌感染症については、初版では”その他の重要な皮膚・軟部組織感染症”として一括されていましたが、今回は項目別になりました。
memoも増えていますが、その中の”好気性菌と嫌気性菌”は必読!「血液培養が陽性になった」のみではなく、好気ボトルが陽性になったのか、嫌気ボトルが陽性になったのかで原因菌がある程度推定できるというのは、研修医が知っておくべき知識です。
注目するところは、身体診察。初版からのスタイルを貫き、研修医用にきちんとページを割いていますし、更に詳しくなっています(COPD患者さんの診察など)。

でも最も大事なのは、著者の”熱意”でしょうか。最近の本はマニュアルをなぞってエビデンスを言ってオシマイという、無難で上澄み的なものが多いです。
しかし、藤本先生の本はそれだけではなく、著者の思いや哲学がきちんと見えてくるような、そんな本です。この熱さをしっかりと受け止めて診療に励みましょう。
この本はマニュアルではありますが、熟読の価値があります。研修医の皆さんは是非、そして初版を持っている先生は買い替えに十分値するものだと思います。0

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医学書院から発売された藤本 卓司の感染症レジデントマニュアル 第2版(JAN:9784260017602)の感想と評価
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