The Book Thief の感想

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参照データ

タイトルThe Book Thief
発売日販売日未定
製作者Markus Zusak
販売元Black Swan
JANコード9780552773898
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

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購入者の感想

 前にキンドルで買って、数十ページ読んだままで放っておいた本だが、出張中の飛行機の中で映画化されているのを見て、改めて読んだものである。
 冒頭に死神が現れて、この物語を紹介すると言う形になっている。その辺で読者は混乱するのだが、状況を理解した後は、「私は〜」の形式で時々出てくる死神の述懐が、気にならなくなる。

 主人公は、親のおかれた状況から、やむを得ずドイツ人の家庭に養子にだされた、Lieselという少女である。9歳から14歳までの5年間、ドイツのヒットラー政権が絶頂期を迎え、凋落して行くまでを話の背景として、彼女の体験に基づいて書かれている。
 養父・Hansの温かい人柄はLieselのかたくなな心を暖め、口やかましい養母・Rosaの、隠された優しさにも馴れて、隣家のLieselを慕う少年、Rudyとの交流も、戦時下の窮屈な時代ではあるが、伸び伸びと描かれているのが心地よい。
 そういう貧しいが穏やかな生活の中に、突然現れたのが、ユダヤ人青年、Maxである。誠意の人、HansはMaxの父親に第一次大戦下で命を救ってもらった恩義から、彼を地下室に匿うのだが、この物語の大半はその状況下でのLieseに焦点を当てたHans一家の様子が描かれる。日常生活を営みながらもヒットラーの政策に反する行為をすることの恐ろしさや緊張感が読んでいて伝わってくるのだった。

 私は以前に読んだ幾つかのドイツとヒットラー時代を描いた小説を思い出していた。それらは、「Those who save me」(Jenna Blum)、であり、「Sarah’s Key」(Tatiana de Rosnay)であり、また、「The Storyteller」(Jodi Picoult)である。それ等の小説には、一庶民が、或はドイツ軍人が、ユダヤ人達を匿い、収容所からの逃亡を見て見ぬ振りをしていたことが書かれている。この小説でも、RudyとLieselがユダヤ人の行列にパンを与えた為に護衛兵に追われる場面で、捕まりそうになったLieselに対して、ドイツ兵が軍規に反して、「Keep running, little

 死神が語るマーカス・ズーサックの革新的な新作、The Book Thief。主人公はリーゼル・メミンジャー、ナチスドイツ時代のミュンヘン郊外に住む物を盗むことで何とか生活している少女。ある日、そんなリーゼルがある本と出合う。そのうちリーゼルは本を手に入れるためにナチスが燃やしそこなった本、市長婦人の図書館の本など、本があるとそれを盗むようになる。アコーディオン弾きの養父の助けを得て彼女は読むことを学ぶ。そして、リーゼルは盗んだ本を、あるときは、家の地下室に身を潜めているユダヤ人の男性、空襲のときは、近所の人々に読んで聞かせる。I Am the Messengerで数々の賞を受賞したマーカス・ズーサックの「魂を養う本の力」をテーマにした忘れがたい一冊。

 最高傑作!!10点あげたいぐらいです!!!!何もかもが完成している感動作でした。第二次世界大戦のときにナチス下のドイツに住んでいるリーゼルのお話を皮肉だけど、やさしい「死神(Death)」が語ります。Deathの語りがユニークでとても深くて印象的でした。登場人物たちは一人ひとり強い個性があって、好感が持てる人々ばかりです。話の展開は達人の技って感じでした。最後のクライマックスの一部を真ん中の方で明かしてみるところが素晴らしかったです。結末が分かってしまうのはつまらない、思うかもしれませんが、それが逆にサスペンスにつながって私はハラハラして読んでいました。描写がとても丁寧で、具体的に細かいところまでシーンが頭の中に浮かびます。そして私がこの本にプラス5点あげたい理由は感動のラストです。1時間涙が止まりませんでした!!本を読んではじめてこんなに泣きました!!最後の章とエピローグはラヴェル作曲、「亡き王女のためのパヴァーヌ」をBGMとしてかけながら読むとさらに盛り上がります。The Book Thiefは世界中の読者全員に読んで欲しい最高の一冊です。

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