間違いだらけの憲法改正論議 (イースト新書) の感想

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タイトル間違いだらけの憲法改正論議 (イースト新書)
発売日販売日未定
製作者倉山満
販売元イースト・プレス
JANコード9784781650135
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法

購入者の感想

 気楽に読み飛ばせば、特に引っ掛かることなく読了できるであろうが、著者の考えを見極めようとすると、多大な労力を要することになる。一言で言うと、本書はそういう本である。それは、著者が、憲法を巡る議論における旧来のいずれの立場とも異なる立場に立っているからである。
 第3章までを読めば、「護憲派」も「改憲派」も、現憲法を一人前の憲法として尊重するという立場から出発しているという点において、「同じ穴の狢」でしかない、という著者の考えが明らかになる。なるほど、著者は「現憲法無効論者」なのか。そう思って最終章まで辿り着くと、無効論は法理論上は正しいとしながらも、現実には、今さら無効宣言など出来ないし、当用憲法を長年押し戴いて来た以上、改正という恥の上塗りが加わる程度のことには我慢してはどうか、という意外な展開が待ち構えている。その上で、改正反対を唱える一派がなお強い勢力を保っている現状では改正は不可能であるし、そもそも、昨今の改正議論には、「自民党案で人権が侵害される」という筋違いな主張や、二院制の必要性への無理解などが見られ、さらに、自民党案・産経新聞改憲案にも多くの問題点が含まれており、こんな状態で改正を行えば、余計に悪くなるだけであり、しない方がましだ、と著者は警鐘を鳴らす。
 つまり、著者は、昨今の改憲議論をことごとく斬って捨てる一方で、無効論の無理を認め、現実的には改憲するしかない、という立場を取っている。広い意味では「改憲派」だが、現状、改憲のための下地が熟していない、と見るとともに、現在の舌足らずのにわか議論には与(くみ)せず、これとは一線を画している、というわけである。

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