あの頃映画 松竹DVDコレクション 「彼岸花」 の感想

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参照データ

タイトルあの頃映画 松竹DVDコレクション 「彼岸花」
発売日2013-07-06
監督小津安二郎
出演佐分利信
販売元松竹
JANコード4988105066625
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

1958年に公開された小津安二郎監督の初めてのカラー映画です。戦後の日本映画黄金時代をご存知の方は、その豪華な配役に驚かれることでしょう。佐分利信、佐田啓二、笠智衆、田中絹代、有馬稲子、久我美子、山本富士子……初めてのカラー映画とあって、小津監督もはりきったのでしょうか、豪華絢爛です。
戦後「晩春」「麦秋」「東京物語」と立て続けに名作を発表してきたあとに、この映画です。それらと比較すると、この作品はユーモアにあふれ、小津監督の余裕すら感じさせます。娘を嫁がせようとする父親を描く話ですが、娘が自分の相談なしに結婚の約束をしていたと知って激怒する頑固でエゴ丸出しの父親を佐分利信が好演しています。豪華な女優陣にもかかわらず、小津作品にしてはめずらしく男の世界に視点がおかれていて、男同士の現実感と哀感が交錯する同窓会のシーンなどはその象徴ではないでしょうか。
母親役の田中絹代はいつものことながら本当に素晴らしいですね。有馬稲子の演技は少し硬い感じです。佐田啓二はこれが小津作品でのデビュー。笠智衆が内気で控えめな、いかにも善良そうな父親像を演じているのも見どころです。

娘の縁談をまとめるために、頑固親父をいかにして口説き落とすか。
出演者を見ていると、桑野通子さんが健在であれば、
田中さんの代わりであったかも・・・と思ったりもした。
ストーリーはともかく、十分余白のある映画である。
嫁にやる話ばかり撮っているように思えるが、
この辺りが小津監督の腕の見せ所、楽しませ所。
やはり追随を許さない憎らしさが窺える。
映画が貧しくないのだ。
娯楽というものを知り尽くしている。

平成に入って、男も時代と共に変わった。時代を先に走る女、後から追いかける男、これが現代かもしれない。この映画に描かれている男は、私にとっては懐かしく、悲しくもある。平成の男には理解できないかもしれない。それで良い。S.K.

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