徹底分析 アベノミクス の感想

229 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトル徹底分析 アベノミクス
発売日販売日未定
製作者翁 邦雄
販売元中央経済社
JANコード9784502097508
カテゴリ »  » ジャンル別 » ビジネス・経済

※サンプル画像

購入者の感想

アベノミクスについて賛成・反対、両陣営からいろんな人の論文を載せた本です。
一冊で賛否両論をカバーしたいと言う意図は判るのですが、論文によって説得力にバラつきがあるように感じられて微妙だと思いました。
これだったら賛成派の本、反対派の本、それぞれ詳しそうなものを1冊ずつ買った方が良さそうな気がします。
各論者の論文の後に原田、斉藤、両編者から論者に対する質問が載っていますが、
いくつかはツッコミとして価値あるものも見られたので、この点は良かったかも。

以下、特に気になった論者について、もう少し細かい感想です。
・翁邦雄氏
原田氏のツッコミが的確ですが、バーナンキFRB総裁(当時)の発言を都合よく解釈しているように感じられます。
またアベノミクス開始後のインフレ率についてコアコアインフレとの乖離から、円安によるコストプッシュインフレを強調していますが、
13年末時点でコアコア指標もプラスに転じていることについて言及がありません。
これらが金融緩和抜きでも達成できたのか?という視点もないため、都合の悪いところを無視しているように思えてしまいます。

・片岡剛士氏、安達誠司氏
片岡氏は金融政策以外のデフレ原因説に対する反論、安達氏はレジーム転換の計測。
両者とも多数のグラフでポイントになる点を示しているので説得力があります。
安達氏の論文については「そんなものが本当に計測できるのか」という点で疑問がありますが
モデルも明示されているので問題があれば専門の人から指摘できるでしょう。

・斉藤誠氏
90年代以降の景況についてモデルに基づく需給要因の分析と、総括として国際環境の変化について書かれています。
論考自体は興味深いのですが、モデル分析へのツッコミで実際の具体的要因を問われて
「計量経済学的に識別する作業を待たなければならない」は科学者としては誠実ですが、逃げの印象は免れません。
アベノミクスという現実の課題に答えなければならない本なのだから、ここはある程度具体性のある答えを用意しておいて欲しかった。

本書は、リフレ派(デフレを脱却し、低インフレで、経済成長の安定化を狙う政策を支持する人々)と反リフレ派のオールスターを集めた本です。

アベノミクスの理論的支柱となったリフレ派のオールスターの面々とその対極にある人々の本となっていますね。

本来なら、岩田規久男・日銀副総裁も投稿して欲しかったのですが、日銀の仕事が忙しいみたいで、いないのが残念ですね!

反リフレ派の筆頭の翁氏が本書で登場しているので、再論争して欲しかったです!

具体的な内容は、アベノミクスの「金融政策、財政政策、成長戦略」の三つの論点について答えています。

以下、各章のまとめを本書の序から引用します。

第1章は、「ゼロ金利制約下では、金融政策では物価はコントールできない」と題して、「翁邦雄」氏が表題通り主張しています。

第2章は、「金融政策で物価をコントロールできる」と題して、「片岡剛士」氏がアベノミクスの金融政策を肯定しています。

第3章は、「金融政策で経済はよくなるのかーAS‐ADモデルにおける景気循環に関する3つのパターンを踏まえて」と題して、「齋藤誠」氏が、「総需要と総供給の両面から考えなければこの問題に答える事はできないとして、総需要を促進する金融政策だけに焦点を絞ることに批判的である」と主張しています。

第4章は、「金融政策のレジーム転換で経済は好転する」と題して、「安達誠司」氏が、「金利ないしは量の操作というよりも、日本銀行がデフレ政策に強いコミットメントを示すことが重要であるというレジーム転換の議論を説明し、これによって、経済が新たな局面に転換し、日本経済はデフレから脱却し、経済が回復する」と主張している。

第5章は、「金融政策の財政政策化は危険」と題して、「河野龍太郎」氏が、「アグレッシブな金融緩和が政治的な要因から財政破綻確率の上昇を助長する」と主張している。

第6章は、「現在の金融政策に危険はない」と題して、「高橋洋一」氏が、「アベノミクスの金融政策に危険はなく、財政再建はデフレから脱却した方が容易」と主張している。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

徹底分析 アベノミクス を買う

アマゾンで購入する
中央経済社から発売された翁 邦雄の徹底分析 アベノミクス(JAN:9784502097508)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.