母をお願い (集英社文庫) の感想
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参照データ
タイトル | 母をお願い (集英社文庫) |
発売日 | 2011-09-16 |
製作者 | 申 京淑 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087606294 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 外国文学・著者別 » サ行の著者 |
購入者の感想
三島由紀夫の短編小説「憂国」を盗作した作家です。
盗作疑惑が出た後、暫くは、しらばっくれていて、出版社側は三島よりも表現がすぐれているなどと恥知らずなことを言っていました。
ここにきて事実上盗作を認めましたが、次のようなことを語っています。
「いくら過去の記憶をさかのぼっても『憂国』を読んだという記憶はないが、もはや私も自分の記憶を信じられない状況になった」「出版社と協議して『伝説』を、収録した単行本から削除する」
「文学賞の審査委員などすべてを辞退し、自粛する時間を頂きたい」
「小説は私にとって命のようなもの。書くのを止めたら生きていけない。文学という『地』で転んだのだから文学という『地』で起きあがりたい」
過去には丸山健二の文章を盗んだこともあります。
「書くのを止めたら生きていけない」とありますが、「盗むのを止めたら生きていけない」ではないでしょうか。
盗作疑惑が出た後、暫くは、しらばっくれていて、出版社側は三島よりも表現がすぐれているなどと恥知らずなことを言っていました。
ここにきて事実上盗作を認めましたが、次のようなことを語っています。
「いくら過去の記憶をさかのぼっても『憂国』を読んだという記憶はないが、もはや私も自分の記憶を信じられない状況になった」「出版社と協議して『伝説』を、収録した単行本から削除する」
「文学賞の審査委員などすべてを辞退し、自粛する時間を頂きたい」
「小説は私にとって命のようなもの。書くのを止めたら生きていけない。文学という『地』で転んだのだから文学という『地』で起きあがりたい」
過去には丸山健二の文章を盗んだこともあります。
「書くのを止めたら生きていけない」とありますが、「盗むのを止めたら生きていけない」ではないでしょうか。
本書で綴られるオンマの一生と出来事を読んだ人は、誰も
が自分の母親に思いを馳せることでしょう。それほどにこの
物語は普遍化されていたと思います。本書が韓国国内ばか
りでなく、他国でもベストセラーになっているというのも肯づけ
ることです。
一方、母親の突然の失踪を契機として長男、長女、夫らが
過去の回顧と現在の思いを多面的に語るという仕掛けと構
成が、読者の感動を増幅していることも見逃すことができま
せん。特に家族の誰もが知らぬ秘密の交流を母親自身が語
っていたのは、人生の奥深さを感じさせて秀逸でした。
翻訳者の安宇植さん(昨年12月逝去)についてもふれた
いと思います。わたしが韓国のことを考える際、この方の発
言を頼りにしていた時期がありました。本書の著者の翻訳
も早くから取り組んでくれていたとのこと(『毎日新聞』9/26)。
その誠実な一生に改めて感謝の気持ちを表したいと思いま
す。
が自分の母親に思いを馳せることでしょう。それほどにこの
物語は普遍化されていたと思います。本書が韓国国内ばか
りでなく、他国でもベストセラーになっているというのも肯づけ
ることです。
一方、母親の突然の失踪を契機として長男、長女、夫らが
過去の回顧と現在の思いを多面的に語るという仕掛けと構
成が、読者の感動を増幅していることも見逃すことができま
せん。特に家族の誰もが知らぬ秘密の交流を母親自身が語
っていたのは、人生の奥深さを感じさせて秀逸でした。
翻訳者の安宇植さん(昨年12月逝去)についてもふれた
いと思います。わたしが韓国のことを考える際、この方の発
言を頼りにしていた時期がありました。本書の著者の翻訳
も早くから取り組んでくれていたとのこと(『毎日新聞』9/26)。
その誠実な一生に改めて感謝の気持ちを表したいと思いま
す。