戦国北条氏五代 (中世武士選書) の感想

270 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトル戦国北条氏五代 (中世武士選書)
発売日販売日未定
製作者黒田 基樹
販売元戎光祥出版
JANコード9784864030564
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 本書は1965年生まれの日本史研究者が、2005年に刊行した本を一部修正の上で再刊したものであり、活躍の時期や領国支配に関する残存史料の面で戦国時代を体現する存在である後北条氏五代についての、政治動向を中心とした通史である。本書によれば、第一に初代伊勢宗瑞(早雲庵、盛時)は幕府政所執事の近親で、姉の嫁ぎ先である今川家の長享の家督争いに介入した後、幕府奉公衆を退いて今川氏御一家となり、幕府政変と長享の乱に連動する形で豆州騒動に介入し、韮山城を本拠とした。また小田原城を攻略し、統一的な検地を行った後、幕府の意向を受け両上杉氏と敵対する中で、彼は今川から自立して相模を経略し、小弓公方家の成立と共に隠居した。このように彼の動きは中央や関東の政治情勢と密接に連動している。第二に、二代氏綱は初めて小田原城を本城とし、有力寺社の造営と北条改称によって相模国主としての正統性を確保した。彼は今川氏や上杉氏と抗争を繰り返す中で、関東管領と足利氏御一家の地位を確保し、支城制による領国支配体制を整備した。第三に、三代氏康は両上杉氏を没落させ、甲相駿三国同盟により関東経略を進めた。関東管領職を彼と争った謙信は、軍事的には優勢だったが、関東支配を持続できなかった。しかし三国同盟破綻後の武田氏との抗争では氏康は劣勢だった。第四に、四代氏政は御館の乱を機に徳川氏と同盟を結び、兄弟衆に支えられて武田氏らと戦い、一時織田氏に従属したものの、信長死後には古河公方の権力を包摂した。第五に、五代氏直は伊達氏、徳川氏と同盟して勢力を拡大するが、秀吉の惣無事令に対抗する(これは当時の有力大名とすれば普通)ための民衆動員で厭戦気分が広がり、小田原合戦で北条氏は滅亡した。ただし、家康の娘婿氏直は助命され、家康と親しかった氏規系がその後を継いで狭山藩が成立した。本書はそうした一門・重臣のその後もたどっている。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

戦国北条氏五代 (中世武士選書) を買う

アマゾンで購入する
戎光祥出版から発売された黒田 基樹の戦国北条氏五代 (中世武士選書)(JAN:9784864030564)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.