自然再生―持続可能な生態系のために (中公新書) の感想
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参照データ
タイトル | 自然再生―持続可能な生態系のために (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鷲谷 いづみ |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121017529 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境問題 |
購入者の感想
本書の大半は、人間の自然に対する姿勢そのものに対する洞察に向けられています。
持続可能な「共生型戦略」は、圧倒的なパワーを持つ「征服型戦略」に押し流され、世界各地で生物多様性が衰退しています。
「征服型戦略」は、グローバルスタンダードのような目新しいものではなく、人類の進化や文明の発展に深く根付いている概念です。
八百万の神や入会地のような特殊な文化がなければ「共生型戦略」は選ばれず、根拠となる文化が失われれば「古臭い」として排除されます。
我が国では、たまたま共生型の農業が実施され、水田、里山における複合型生態系が、「身近な自然」として維持されてきました。
しかし、農業の衰退に伴い、それらの良き伝統は失われ、「身近な自然」に暮らしていた多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。
英国では、一端、農業が衰退して大量絶滅が起こってから流れが変わりました。NZでは、手遅れになる前に流れが変わりました。
日本はどちらの道を選択するのでしょうか?我々一人一人の国民が、本書を読んで危機感を共有することが、出発点なのかもしれません。
最後に、本書に関して一言苦言を。
共生型戦略に基づく里山、水田の重要性を説く箇所が多いので、本書の「自然再生」は「里山再生」だと思っていましたが、違うようです。
著者の「自然再生」は「自然再生事業」であり、霞ヶ浦の事業が好例として紹介され、制度的裏付けとして「自然再生法」が登場しています。
一つ一つの章ごとに、それぞれの思いが込められているため、うまく繋がっていないのではないかと思います。従って、星一個減点しました。
持続可能な「共生型戦略」は、圧倒的なパワーを持つ「征服型戦略」に押し流され、世界各地で生物多様性が衰退しています。
「征服型戦略」は、グローバルスタンダードのような目新しいものではなく、人類の進化や文明の発展に深く根付いている概念です。
八百万の神や入会地のような特殊な文化がなければ「共生型戦略」は選ばれず、根拠となる文化が失われれば「古臭い」として排除されます。
我が国では、たまたま共生型の農業が実施され、水田、里山における複合型生態系が、「身近な自然」として維持されてきました。
しかし、農業の衰退に伴い、それらの良き伝統は失われ、「身近な自然」に暮らしていた多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。
英国では、一端、農業が衰退して大量絶滅が起こってから流れが変わりました。NZでは、手遅れになる前に流れが変わりました。
日本はどちらの道を選択するのでしょうか?我々一人一人の国民が、本書を読んで危機感を共有することが、出発点なのかもしれません。
最後に、本書に関して一言苦言を。
共生型戦略に基づく里山、水田の重要性を説く箇所が多いので、本書の「自然再生」は「里山再生」だと思っていましたが、違うようです。
著者の「自然再生」は「自然再生事業」であり、霞ヶ浦の事業が好例として紹介され、制度的裏付けとして「自然再生法」が登場しています。
一つ一つの章ごとに、それぞれの思いが込められているため、うまく繋がっていないのではないかと思います。従って、星一個減点しました。