コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる の感想
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参照データ
タイトル | コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 山崎 亮 |
販売元 | 学芸出版社 |
JANコード | 9784761512866 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 社会・政治 |
購入者の感想
著者の最大の功績は、コミュニティをデザインしたことではなく、
「コミュニティデザイナー」という新しい職種を開発したことだろう。
「コミュニティ」というキーワードは、行政にとっては新しい予算獲得・箱物推進のための、
デベロッパーにとっては、他の施設との差別化のための、喉から手が出るほどほしいコンセプトだ。
その第一人者というポジションを獲得した手腕はまず素晴らしい。
決して嫌味で言っているのではない。
金とメディアと人を集めるために、「コミュニティ再生」は今非常に有効なキーワードだ。
多くの若者もそこに自分の新しいキャリアを見出しているし、著者への注目が日本人の問題意識(特に東日本大震災以降だろうが)がそこにあると示している。
しかし、である。
実際、鹿児島のマルヤガーデンズで彼が唱えた「ガーデン」は当初の半数以下に減っている。
「コミュニティ」の場としては機能しておらず、マルヤは徐々に一般の商業施設になりつつある。
(それは商業地の商業ビルとして健全な姿だと思う)
最初、ユニークでとても素敵な(いかにも新しいコミュニティが生まれるような気配の)コンセプトを作って、ものを始めることは、
やっぱりバブル期にデベロッパーが斬新なコンセプトを設定して開発した物件と本質的には同じではないだろうか。
コンセプトは変われど、それが結果として資金調達や宣伝のツールになっており、その後の「本当のコミュニティの再生」には責任がないという意味で。
本当に困難なのは、コミュニティを「デザイン」することではなく、
ずっと、その地にずっと住んで、コミュニティをつくる/再生することにほかならない。
それは、「デザイン」よりもっともっと地味で困難な作業だ。
もちろん著者も、そのことをわかっている。
著者の実績を否定するつもりは毛頭ない(継続的な成功例もある)。
「コミュニティデザイナー」という新しい職種を開発したことだろう。
「コミュニティ」というキーワードは、行政にとっては新しい予算獲得・箱物推進のための、
デベロッパーにとっては、他の施設との差別化のための、喉から手が出るほどほしいコンセプトだ。
その第一人者というポジションを獲得した手腕はまず素晴らしい。
決して嫌味で言っているのではない。
金とメディアと人を集めるために、「コミュニティ再生」は今非常に有効なキーワードだ。
多くの若者もそこに自分の新しいキャリアを見出しているし、著者への注目が日本人の問題意識(特に東日本大震災以降だろうが)がそこにあると示している。
しかし、である。
実際、鹿児島のマルヤガーデンズで彼が唱えた「ガーデン」は当初の半数以下に減っている。
「コミュニティ」の場としては機能しておらず、マルヤは徐々に一般の商業施設になりつつある。
(それは商業地の商業ビルとして健全な姿だと思う)
最初、ユニークでとても素敵な(いかにも新しいコミュニティが生まれるような気配の)コンセプトを作って、ものを始めることは、
やっぱりバブル期にデベロッパーが斬新なコンセプトを設定して開発した物件と本質的には同じではないだろうか。
コンセプトは変われど、それが結果として資金調達や宣伝のツールになっており、その後の「本当のコミュニティの再生」には責任がないという意味で。
本当に困難なのは、コミュニティを「デザイン」することではなく、
ずっと、その地にずっと住んで、コミュニティをつくる/再生することにほかならない。
それは、「デザイン」よりもっともっと地味で困難な作業だ。
もちろん著者も、そのことをわかっている。
著者の実績を否定するつもりは毛頭ない(継続的な成功例もある)。
都市計画やまちづくりは本来、誰でも参加できるはずものであるし、
誰にでも理解して欲しいものだと思います。
しかし、これまで多くの専門書は、小さく固い文章で書かれていることが多かったように感じます。
“コミュニティデザイン”のように、多くの人に自主的に参加していってほしい取り組みの場合、
たくさんの人の理解を得ることが重要だと感じます。
この本は、老若男女多くの人にとってわかりやすい表現を用いて、
いい事例を紹介すると共に、「私もできるかも」と思わせてくれる、
勇気をくれる内容となっています。
それは著者である山崎さんの想い、まちづくりに関わる人々の想いが詰まっている本だと思います。
学生時代にこの本を読んでいたら、人生が変わったかもしれません。
誰にでも理解して欲しいものだと思います。
しかし、これまで多くの専門書は、小さく固い文章で書かれていることが多かったように感じます。
“コミュニティデザイン”のように、多くの人に自主的に参加していってほしい取り組みの場合、
たくさんの人の理解を得ることが重要だと感じます。
この本は、老若男女多くの人にとってわかりやすい表現を用いて、
いい事例を紹介すると共に、「私もできるかも」と思わせてくれる、
勇気をくれる内容となっています。
それは著者である山崎さんの想い、まちづくりに関わる人々の想いが詰まっている本だと思います。
学生時代にこの本を読んでいたら、人生が変わったかもしれません。