寺山修司未発表歌集 月蝕書簡 の感想
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参照データ
タイトル | 寺山修司未発表歌集 月蝕書簡 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 寺山 修司 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000227711 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 詩論 |
購入者の感想
寺山修司は十代で俳句を、その後短歌をつくったが21歳ぐらいで作歌をやめた。
その後は戯曲や散文の世界にマルチな才能を発揮するわけだが、
この歌集は、寺山の晩年10年間ほどにつくったものだ。
未発表歌集である。
いったん短歌を捨てた寺山の遺稿集ともいえるだろう。
それぞれの歌に、寺山らしいシュールさと物語性があるが、
どこか「角の取れた」感じがするのは私だけだろうか。
一本の釘を書物に打ちこみし三十一音黙示録
満月に墓石はこぶ男来て肩の肉より消えてゆくなり
ある程度、己の死を覚悟していたと言われる彼の、彼なりの素直な表現だ。
十代の頃の短歌と比べて云々するのはこちらの勝手というものだろうが、
シュールな中にある種の「わかりやすさ」が加味されている気もする。
父ひとり消せる分だけすりへりし消しゴムを持つ詩人の旅路
……まるで辞世の歌のようである。
若い頃の歌とともに味わって読み返したい。
その後は戯曲や散文の世界にマルチな才能を発揮するわけだが、
この歌集は、寺山の晩年10年間ほどにつくったものだ。
未発表歌集である。
いったん短歌を捨てた寺山の遺稿集ともいえるだろう。
それぞれの歌に、寺山らしいシュールさと物語性があるが、
どこか「角の取れた」感じがするのは私だけだろうか。
一本の釘を書物に打ちこみし三十一音黙示録
満月に墓石はこぶ男来て肩の肉より消えてゆくなり
ある程度、己の死を覚悟していたと言われる彼の、彼なりの素直な表現だ。
十代の頃の短歌と比べて云々するのはこちらの勝手というものだろうが、
シュールな中にある種の「わかりやすさ」が加味されている気もする。
父ひとり消せる分だけすりへりし消しゴムを持つ詩人の旅路
……まるで辞世の歌のようである。
若い頃の歌とともに味わって読み返したい。