福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書 の感想

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参照データ

タイトル福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書
発売日販売日未定
製作者福島原発事故独立検証委員会
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784799311585
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

事故の拡大原因の技術的な側面については慎重な姿勢を取っている。
たとえば『FUKUSHIMAレポート〜原発事故の本質〜』が「あの期に及んで廃炉を避けようとしたのではないか」という推測付きで指摘した「2・3号機への海水注入の遅れがなければ2・3号機のメルトダウンは防げたのではないか」という論点への言及は避けている。3/12夜の官邸での1号機海水注入決定のドタバタは描かれている(p.82-83)が、3号機への注入が3/13午後、2号機は3/14夜になった経緯の記述は不明瞭である。官邸の動きの記録もなぜか3/12夜から3/14夜に飛んでいる(p.83からp.84)。
東電のヒアリング拒否のもとでの欠席裁判は避けているように思われる。

私が本書を手に取った動機の一つが、本書がマスメディアに取り上げられた際に、菅首相(当時)の言動のあげつらいにスポットが当たりすぎているような気がし、それを現物で確かめたい、ということがあった。退陣までの迷走などもあり、私にも菅前首相を弁護する意欲も義理も無いが、どこか不自然なものを感じたのだ。
本書に当たると、確かに菅前首相のリーダーシップについて歯に衣きせぬ論評が行われているが、これだけ情報の通りが悪く東電本店の動きが悪い中で誰がこれ以上できたのか、という部分にも多くの記述が割かれている。マスメディアは自らが続けてきたバッシングを補強する内容を、他の重要な論点を脇に置いて、重点的に伝えたのだ。
マスメディアに関連しては、患者を置き去りにした、とバッシングを受けた双葉病院についての記述もあった。院長は警察の指示で警察車両に乗り、また戻るつもりで病院を離れたが、別ルートで病院に入った自衛隊はそれを知らなかった。この「病院関係者がいなかった」がマスメディアを通すと「患者を放置して逃げた」の断定になる。

マスメディアは報道機関ではなく、断罪機関なのだ。

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