山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた の感想

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タイトル山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
発売日販売日未定
製作者山中 伸弥
販売元講談社
JANコード9784062180160
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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購入者の感想

科学者、ノーベル医学賞受賞の山中博士の研究の経緯と横顔を知るためには、
大変、面白く良い本でした。
さて、一番の驚異は、遺伝子操作でハエの触角に目を作ったという写真でした。
人間にたとえるなら、4つ目男を作ったという様な話です。ビックリ!!!
また、受精卵を使用しないで、iPS細胞(皮膚から作った精子と卵子)で、
人間を作る事も可能な所に来ているそうです。これまた、驚異!!!
SF小説を超えて、人間は神の領域に入り、そこで一体、何をするのでしょう?
確かに、難病で苦しむ人々を救済する大きな力になるでしょうし、医学の進歩
にも繋がるでしょうが、、、、。
でも、そこから発生するかもしれない負の要因、、、、。
たとえば、遺伝子操作の技術の悪用など、色んな事を考えてみると
これは、ある意味恐怖でもあります。
だって、人間の先端技術が、自然界や人間に反撃する場面を我々は多く
体験し、見ているではないですか? たとえば、原発事故、、、、。

結局は、科学の進歩をどう生かして、どうコントロールしてゆくか?
そんな論点も欲しかったです。

山中先生の研究に向けた姿勢、これまでの経験、そして、iPS細胞の意義が、山中先生ご自身の言葉で、非常に分かりやすく説明されています。彼の人格、研究への想いが、優しい語り口で、伝わってきます。これからの研究を目指す人だけでなく、科学に興味のある小学生高学年以上の方には、是非とも読んでもらいたい内容です。

ノーベル賞受賞者というと、天才肌で近付き難いイメージが有ります。しかし、山中先生は、研究では勿論厳しい方と思いますが、それ以外では、マラソンに参加し、ジムにも通い、お酒も楽しむ、ある意味、普通の感覚をお持ちの方だと思います。

本書で語られる「人間万事塞翁が馬」「研究には、ビジョンとハードワークが必要」というのは、全ての仕事に通じる内容。臨床医時代に、他の医者が20分でできる手術を2時間もかかってしまい、上司からは「じゃまなか」と言われ続け、悩み続けた末に、基礎医学に転じた経緯は、まさに「人間万事塞翁が馬」そのものと思います。
最も印象的だった言葉は、最後の「臨床医としてはほとんど役に立たなかったけど、医師になったからには、最期は人の役に立って死にたいと思っています。父にもう一度会う前に是非、iPS細胞の医学応用を実現させたいのです。」
素晴らしいお考えで感動しました。

全体構成としては、二部構成で、2/3を占める第一部は、山中先生ご自身の執筆部分。その中の前半は、生い立ちを含めて、本当に分かりやすい内容。後半は、iPS細胞に関わる専門的な内容を、注釈を含めて読み解いてくれている部分。若干、考えながら読んで行く必要が有りますが、この部分を理解する事が、今回の業績を理解する上での真髄とも言えます。また、同時受賞のイギリスのジョン・ガードン博士の業績と、山中先生の研究との関係も説明されており、「どうしてこの博士と受賞なの?」という疑問をお持ちの方には、興味深い内容と思います。
残りの1/3は、インタビューで、第一部で語り尽くされなかった、読者が疑問に思うような内容を補足する形式で、先生の考え方が展開されています。

全ページ数が200ページ弱と少なめで、文字も比較的大きく、分かりやすい文章なので、多くの方が、それほど苦労無く読み切れる著作だと思います。

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