山彦 の感想

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平泉博士が雑誌に連載したエッセイ集。見開き２ページずつなので読みやすく、それでいて中身は濃い。文章は博士の他の本と同様に格調高く、そこに流れる思想は深い。

高度経済成長期の日本・世界の世相を反映しつつ、それを題材に悠久の大義を説く。敗戦により、日本は変わった。良くもなり、また悪くもなった。博士は日本人の堕落したところを批判する。しかし、もちろんそれに留まらない。日本人はなお素晴らしい性質を持ち続けている。それは平凡な人々においても、常に見られる。日本人の未だ変わらざる長所、それは今回の震災でも表れた。

日本人よ、平泉博士のエッセイを読んで、悪しきを改め、善きを護ろう。読めば勇気が湧き、元気が出る名著である。