怪盗ルパン伝　アバンチュリエ　登場編　下（ヒーローズコミックス） の感想

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登場編上巻にも増して厚く、実に600ページほどあります。
「赤い絹のショール」
「金髪夫人」
「アンベール夫人の金庫」
に加え、描き下ろしの
「黒真珠」
と巻末コラムなどがボーナストラックとしてついている
大変お得な一冊だと思います。
講談社版と比較してトリックが理解しやすいように感じたのは
一冊の中に話の切れ目なく収録されているからかもしれません。

ルブランファンだけでなく
シャーロック・ホームズの原作ファンが読んでも
不快な思いをしないように最大限の敬意を払って
ハーロック・ショームズというキャラクターを描画しています。
自分はルブランの原作も読んでいますが、
『ホームズ』と訳されてきたこれまでの訳本には正直違和感がありました。
アバンチュリエはその違和感を見事に払拭してくれた作品です。

講談社版にはなかった描き下ろしの「黒真珠」は
とにかくルパンがかっこよくてかっこよくて！！
熟考するルパンの足の下にひれ伏したいと思ったほどです（笑）
こんなアルセーヌを目にすることができる日がくるなんて……感無量です。
登場編や本編に登場する脇役も総出演しており
手塚治虫のスターシステムを彷彿とさせる楽しさです。
この「黒真珠」のために一冊購入しても後悔しませんよ！

「赤い絹のショール」では、原作にはないオリジナルシーンが追加されています。
今後の展開にどう生かされていくのか楽しみにしています。