The Bootleg Series Vol. 11 の感想

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こういうものこそ本当のブートレッグシリーズだと言われてしまえばそれまでですが。
途中から急に始まる曲とか、途中で急に終わる曲とか、バリバリに音が割れている曲とか、あんまりドラムの入った曲がなかったりとか。
バンドの練習中に回していた録音テープをそのまま6枚のＣＤにしたという感じです。
今後、音楽鑑賞として何度も聞き返す作品ではないです、私にとっては。
しかしロックの歴史上のたいへん貴重な記録であることは間違いないです。
また、ディランの公式発売音源はすべて買っているわたしはコレクションとして買わなければなりませんでした。
ディランファンなら1回はきかないと駄目でしょう。でも1回きけば十分です。
そういう意味で仕方ないので星5つです。
※あの名曲の最初の形はこうだったとかも知ることができます。しかし、知ることができるだけです。やっぱり過去にちゃんと発表されたバージョンの方がいいのに違いないです。

賛否両論だろうなあ、このレビュー。
でも本音だからしかたないです。

Vol. 9-Witmark Demos: 1962-1964は商品化する音源でなくとも第三者に聴かせる録音なので、今作こそがこのシリーズを代表する音源集でしょう。なので「有名だから聞いてみよう」的な知識先行派の皆さんは後回しにされるか、ザ・ベースメント・テープス・ロウ:ブートレッグ・シリーズ第11集(スタンダード・エディション)にされた方がよろしいかと…
ファンならば、本当に膨大な音源量に圧倒され、ただただ参りましたと首を垂れるしかありません。
それでも中間派の方に、聴いた感想を述べさせていただきますと…
●　全体としては５枚組＋「オマケ版」と考えた方がよさそうです。
　Disc６の収録曲は公式には全て未発表でしたが、聞いてその件も「Bonus Disc」の表記も納得しました。
　普通ならまず商品にする事の無い“残念な音源”ですが、あえて公表した英断に拍手を送りたいです。
◎　Disc１〜５は時間軸で並んでいるようで、録音された意味合いが
　「アマチュア気分に戻った、気ままな既製曲セッションの記録」　〜　「思いつくアイディアをバンドで演った音メモ」　
〜　「形になった曲を第三者に聞かせるデモ録音」　〜　「新たなアレンジを試すリハチェック」
…と変化していったように聞こえました。７５年盤で選んだのはこの中から「デモ録音」を主としていたようです。
◎　７５年盤との音の違いですが、思ったほどには変わっていませんでした。