CONTACT (MOVIE TIE-IN) CASSETTE の感想
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参照データ
タイトル | CONTACT (MOVIE TIE-IN) CASSETTE |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Carl Sagan |
販売元 | Audioworks |
JANコード | 9780671570439 |
カテゴリ | Formats » Audiocassettes » Biographies & Memoirs » General |
購入者の感想
SFで、その文学としての完成度とSFとしての完成度を両立している作品は、極まれにしか存在しない。
即ち、SFを読むとは、(SFとしての完成度の低いものをわざわざ読む事はないので)、
文学的に不完全な作品であることをある程度覚悟の上で、SFとしての楽しみを求めて読書を行うことである。
そうではあるのだが、やはり、時には文学的にも完成度が高いSFをよんでみたいのも人情である。
僕が、SFと文学の完成度を両立した作品を書いた作家としては、まず頭に浮かべるのはレムであるが、実はポーランド語が読めないために本当のことはわからない。
作品としてはオーウエルの「一九八四年」を絶対的に思い浮かべるが、SFという範疇に含めるのに異論がある人もいるかもしれない。
そして、次に思い浮かべるのが、実は本書である。
著名な天文学者が本書を執筆しているため、学者の余興と考えられて、
日本では正当に作品が評価されてこなかったのではないだろうか?(米国では1985年の出版以来多くのベストSF100のリストの中にこの作品が含まれている)。
作品の内容は、 20世紀末、地球外知的生物探査プロジェクトに関わるメキシコ砂漠の天文台が、奇妙な電波信号をキャッチした。
それは膨大な素数系列から構成されており、発信源は26光年かなたのVegaからであり、人類にとって宇宙の別の文明とのファーストコンタクトとなった。
そのメッセージ解読のため世界中の知識が総動員されたが、やがてそれはあるマシーンの設計図であることがわかったが。。。
電波信号受信によるファーストコンタクトが実現するまでの過程と、その様子が実にリアルで、
読者は、そのまま研究者になって、ファーストコンタクトを行う興奮を味わうことができる。
即ち、SFを読むとは、(SFとしての完成度の低いものをわざわざ読む事はないので)、
文学的に不完全な作品であることをある程度覚悟の上で、SFとしての楽しみを求めて読書を行うことである。
そうではあるのだが、やはり、時には文学的にも完成度が高いSFをよんでみたいのも人情である。
僕が、SFと文学の完成度を両立した作品を書いた作家としては、まず頭に浮かべるのはレムであるが、実はポーランド語が読めないために本当のことはわからない。
作品としてはオーウエルの「一九八四年」を絶対的に思い浮かべるが、SFという範疇に含めるのに異論がある人もいるかもしれない。
そして、次に思い浮かべるのが、実は本書である。
著名な天文学者が本書を執筆しているため、学者の余興と考えられて、
日本では正当に作品が評価されてこなかったのではないだろうか?(米国では1985年の出版以来多くのベストSF100のリストの中にこの作品が含まれている)。
作品の内容は、 20世紀末、地球外知的生物探査プロジェクトに関わるメキシコ砂漠の天文台が、奇妙な電波信号をキャッチした。
それは膨大な素数系列から構成されており、発信源は26光年かなたのVegaからであり、人類にとって宇宙の別の文明とのファーストコンタクトとなった。
そのメッセージ解読のため世界中の知識が総動員されたが、やがてそれはあるマシーンの設計図であることがわかったが。。。
電波信号受信によるファーストコンタクトが実現するまでの過程と、その様子が実にリアルで、
読者は、そのまま研究者になって、ファーストコンタクトを行う興奮を味わうことができる。
私にとっては、決して簡単に読みこなせる本ではありませんでした。文学的表現にもすぐれ、現代物理学の専門知識もちょっとだけ読み手に要求する本で、毎日毎日わからない単語を全部辞書で引きながら、読破するのに4ヶ月かかりました。でもそれほどの手間をかけるのに値する内容の本でした(映画より格段に内容の濃い本です)。
著者カール・セーガンは、著名な天文学者であっただけではなく、教育者としてキリスト教と現代科学の対立の解消に砕身し、そのための啓蒙活動を一生のテーマとしていた人で、他にも科学的根拠に基づいた聖書の再解釈のための著作をいくつか残しています。
”コンタクト”は単なるSF作品ではなく、著者の長年にわたる啓蒙活動を小説のかたちで結実させた傑作です。
著者カール・セーガンは、著名な天文学者であっただけではなく、教育者としてキリスト教と現代科学の対立の解消に砕身し、そのための啓蒙活動を一生のテーマとしていた人で、他にも科学的根拠に基づいた聖書の再解釈のための著作をいくつか残しています。
”コンタクト”は単なるSF作品ではなく、著者の長年にわたる啓蒙活動を小説のかたちで結実させた傑作です。