Bending Adversity: Japan and the Art of Survival の感想

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日本及び日本人解説のこの種の本は少ないと思います（たぶん）。歴史、文化、風土、のみならず政治や日本人の心情を綴った地に足ついた真摯なルポとして秀逸です。外国人に日本を理解してもらうにはおススメの本でしょう。
ただし、あくまでジャーナリストとしての目でトピックを追ったいわば「記事」であり、「菊と刀」や著者が尊敬するジョンダワーの「敗北を抱きしめて」のような学術的（？）な芯はありません。良し悪しでなくタイプが違うということ。
ところで英語の書、Kindleで読むと辞書がすぐ引けて本当に便利ですね。

現代日本政治史がテレビやニュースで報道されているように素直に描かれている．しかし，そうした文化論的な側面よりも，いち早く被災地に向かいそこでであった人々と，その後の様子を叙述したところが，この本のもっとも印象的で素晴らしい箇所である．それは，はじめの章とAfterwordsよりまえの最後のところである．そのほか，日本人論については，たとえば，elephantに「さん」をつけて「Mr Elephant, ぞうさん」と呼んでいるのがわからない，とか，ところどころおもしろい発見がある．副題にある「生き残りの術」についてはどこにあるのか，大震災後にも地元に残り同じ仕事を起こしている人たちの努力を意味しているのか，明治維新以来のたびかさなる危機を克服してきたことを示しているのか．これから一層深刻になる高齢社会での生き残りの術なのか．読者が考えることなのだろう．日本人の知り合いや著名人の意見については正直あまり批判的なコメントはない．著者が本当はどう思っているのか私の英語力では判断できなかったのかもしれない．The Economist, 18 Jan. 2014に書評がでていたので読んでみた．