The Alchemist の感想

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ブラジルの作家コェーリヨの世界的ベストセラー作品。
ピラミッドの夢を繰り返し見た羊飼いの青年が故郷のスペイン・アンダルシアからエジプトへ宝探し（自分の運命の追及）の旅に出る。
人の幸せとは、自分の本当に大切な物は何か、を問う、サンテグジュペリの「星の王子さま」やメーテルリンクの「青い鳥」にも通じる秀作。

CDに合わせて原書を入手するなら、Alan R. Clarke 翻訳の米国ハーパー社の物か、講談社イングリッシュ・ライブラリー版が朗読に沿っている。 （英国ハーパー社版では一部単語の置き換えあり。）
英語への翻訳の際は原作者と相談しながら進められたせいか、あまり難解な構文はなく、同じ単語や表現が繰り返される事も多いため、TOEIC600点程度の知識があれば、それほど苦労せずに読みこなす事ができる。

CD4枚、ほぼ4時間、省略無しの全編朗読。
朗読のジェレミー・アイアンズは、アカデミー主演男優賞を始め、ゴールデングローブ、エミー、トニー賞など、多くの受賞経験を持つ英国のベテラン俳優。
低音の声の持ち主だが、あまり癖のない、明瞭なブリティッシュなので、イギリス英語の好きな人はもちろんの事、普段米語に慣れた方の耳にも比較的聴きやすく、ヒアリング練習にもお薦め。

アイアンズは、朗読の仕事も精力的にこなして居り、本作より英語として平易な作品を探すのであれば、アンデルセン「錫の兵隊」、ロアルド・ダールの「James and the Giant Peach」、上級であれば、J.G.バラード作「太陽の帝国」、ハーディ「日陰者ジュード」、彼の出演で映像化もされた、ウォー「ブライヅヘッドふたたび」、ファウルズ「フランス軍中尉の女」、ハート「ダメージ」、ナボコフ「ロリータ」などもある。