食の軍師 1 の感想
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参照データ
タイトル | 食の軍師 1 |
発売日 | 2014-06-06 |
製作者 | 泉昌之 |
販売元 | 日本文芸社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL |
購入者の感想
この連載作品はなんと言うか、通にことごとく(勝手に)負かされるエピソードばかりなんだけどその成りきれなさが面白い!これまでの作品でなかなか姿を表さなかった、氏の考える理想像が描かれているのかな。
久住昌之原作のグルメ漫画というのは大の大人がたかが食べ物に本気で悩み一喜一憂する滑稽さが売りの一つで、それは作画担当者が変わっても一貫しており、例えば谷口ジロー作画の「孤独のグルメ」、本作品の作画も担当している和泉晴紀作画の「かっこいいスキヤキ」などまさにそれであり、この両者の絵柄・作風は全く異なりますが、ダンディズム漂う中年男を主人公に据えているという点において共通点を見出せます。
久住氏のあるエッセイでは外で食事をするのにいちいち逡巡し自信無さげな己の姿を自虐し、時代小説に登場する野武士のごとく店に入るなり「オヤジ、飯だ」と豪放に振る舞うような人間に憧れるというようなことを述べていますが、これには男が抱くある種の価値観を伺え、つまりいい年した大人があれが食べたいこれが食べたいなどと食事に執着し過ぎることは子供染みて恥ずかしい行為で、本来飯など細かいことに拘らずきっぷよく豪快であるのが男らしい、でもやっぱり美味しいものが食べたいなどといった葛藤が根底に垣間見えます。
そしてそれは久住氏自身も十分認識しているようで、その上で漫画では敢えてその駄目な部分をピックアップしダンディなキャラクターが大衆さ全開でせせこましく食欲に翻弄される滑稽な姿を描き、そのイメージとのギャップに読む者は笑いのツボを刺激されます。
本作品についてですが孤独のグルメと比較すると、孤独のグルメの場合絵柄は劇画風でストーリーはあくまで日常的な空気を貫いているのに対し、こちらはもっと直球でトレンチコートにソフト帽を被ったハードボイルドな風体の主人公・本郷がその外見とは裏腹に食事をめぐり脳内でドタバタ劇を繰り広げるといった感じでギャグ要素を全面に押し出しています。
食の軍師というタイトル通りに三国志をネタに食事の注文や食べ方を兵法になぞらえライバル・力石と対決するというのが作品のパターンですが、それ以前に一人飯するのに対決って何よ?とか、そもそも力石は気づいていないじゃねえか、いや何で二人で仲良く旅に行ってるんだよと思わず突っ込みたくなる展開に加え「この陣形は…牛の滝登り爆弾!!」などと独りよがって勝った負けたと終始テンションの浮き沈みが甚だしい本郷のノリ、そんな馬鹿馬鹿さについていける人には大いにお薦めします。
久住氏のあるエッセイでは外で食事をするのにいちいち逡巡し自信無さげな己の姿を自虐し、時代小説に登場する野武士のごとく店に入るなり「オヤジ、飯だ」と豪放に振る舞うような人間に憧れるというようなことを述べていますが、これには男が抱くある種の価値観を伺え、つまりいい年した大人があれが食べたいこれが食べたいなどと食事に執着し過ぎることは子供染みて恥ずかしい行為で、本来飯など細かいことに拘らずきっぷよく豪快であるのが男らしい、でもやっぱり美味しいものが食べたいなどといった葛藤が根底に垣間見えます。
そしてそれは久住氏自身も十分認識しているようで、その上で漫画では敢えてその駄目な部分をピックアップしダンディなキャラクターが大衆さ全開でせせこましく食欲に翻弄される滑稽な姿を描き、そのイメージとのギャップに読む者は笑いのツボを刺激されます。
本作品についてですが孤独のグルメと比較すると、孤独のグルメの場合絵柄は劇画風でストーリーはあくまで日常的な空気を貫いているのに対し、こちらはもっと直球でトレンチコートにソフト帽を被ったハードボイルドな風体の主人公・本郷がその外見とは裏腹に食事をめぐり脳内でドタバタ劇を繰り広げるといった感じでギャグ要素を全面に押し出しています。
食の軍師というタイトル通りに三国志をネタに食事の注文や食べ方を兵法になぞらえライバル・力石と対決するというのが作品のパターンですが、それ以前に一人飯するのに対決って何よ?とか、そもそも力石は気づいていないじゃねえか、いや何で二人で仲良く旅に行ってるんだよと思わず突っ込みたくなる展開に加え「この陣形は…牛の滝登り爆弾!!」などと独りよがって勝った負けたと終始テンションの浮き沈みが甚だしい本郷のノリ、そんな馬鹿馬鹿さについていける人には大いにお薦めします。