宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス) の感想

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タイトル宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者村山 斉
販売元講談社
JANコード9784062577311
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般

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購入者の感想

この本を読んでいると、最近の宇宙論は、昔と比べると、随分進歩したものだと思う。この本では、冒頭の「はじめに」から、暗黒物質や暗黒エネルギーについて、非常に興味深いことが語られているのだが、私が「ホーキング、宇宙を語る」などで宇宙論をかじった頃には、暗黒物質は、宇宙が膨張し続けるのか、収縮に転ずるのかの鍵を握る物質程度にしか語られていなかったし、暗黒エネルギーに至っては、その存在さえ知られていなかったのだ。今年発売された本でも、こうした昔の本と五十歩百歩の内容のものがあるくらいなので、本書は、最新の宇宙論を知るには、最適な本だと思う。 

さらに特筆すべきは、それが、平易な語り口で、非常に読み易く、分かり易く書かれているということだ。著者、村山斉氏の略歴を見てみると、素粒子理論におけるリーダーだそうなのだが、難解で哲学的なホーキングの本と比べると、えらい違いだと思った。村山斉氏は、宇宙論の素人のレベルがどれくらいなのかをよくわかってくれており、そのレベルまで下りてきて、本当に優しく解説してくれているのだ。 

私も、昔と最近を合わせると、何冊も宇宙論の入門書を読んできたのだが、これほど読み易く、分かり易い入門書に出会ったのは、初めてだった。巻末の「おわりに」を読むと、この本は、村山斉氏の四つの独立した講演をテープから起こして、科学ライターの荒舩良孝氏がまとめたのだそうだ。もちろん、講演自体が非常に分かり易いものであっただろうことは事実としても、村山斉氏もその筆力に感謝しているとおり、単純に講演の内容を紙に起こすだけの作業ではなかったはずであり、本来は難解のはずの最新の宇宙論を、これだけ分かり易くまとめ上げた荒舩良孝氏の才能も、称賛されて然るべきだと思う。 

書名から多宇宙について、超ひも理論からのランドスケープや宇宙進化に
おける人間原理の位置づけなどについて論じたもののように思われますが、
書名は本書の最終章の題名にすぎず、上記について論じた部分はわずかです。

著書のなかの一つの章から書名をつけたものに、宇宙に果てはあるか (新潮選書)
もありますが、これは最近のはやりでしょうか?
ネットで買う人は書名はその本のテーマであると考えます。
書名は中身に合ったものにして欲しいと思います。

本書の全8章の半分の1〜4章は暗黒物質(ダークマター)に充てられています。
暗黒物質についての研究はこの10年間で飛躍的に進歩し、とくに2003年以降に
暗黒物質の存在を裏付ける重要なデータが多く蓄積されています。
本書はその最新データをいち早く紹介しています。
しかし、この部分は本書の2か月前に出た宇宙進化の謎 (ブルーバックス)と重複しています。
最新の宇宙論を紹介する出版競争も激しいようです。

5章は(暗黒物質ではなく)暗黒エネルギーについて宇宙の膨張速度の加速から
説きおこし、アインシュタインの宇宙定数などに触れるもので、既知のデータを
もとにした基本的な部分をまとめています。

6章、7章は多次元宇宙・異次元の話です。
万物を統一する理論の樹立のために最後に残された重力という難題について

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