人生を半分あきらめて生きる (幻冬舎新書) の感想

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タイトル人生を半分あきらめて生きる (幻冬舎新書)
発売日販売日未定
製作者諸富 祥彦
販売元幻冬舎
JANコード9784344982659
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門

購入者の感想

著者である諸富祥彦氏は
明治大学文学部教授であり、
心理カウンセリング等の活動を行っている方。

氏は語る。
「生きるとは、小さな「あきらめ」を
積み重ねていくことです。」(p.3)と。
確かに、仕事にせよ、家庭にせよ、
様々な人間関係にせよ、
あきらめざるを得ないことが多々あると思う。

本書の主張(一部)を要約すると下記の通り。

1.我々が生きるこの社会は、成長も止まり、
人口も減少していく局面に突入している。
これを本書では「縮小社会」と呼ぶ。

2.大震災、国家破綻等のリスクがあり、
これまでの努力が一瞬にして無になる
可能性のある、「何をしても、だめだこりゃ社会」

3.上記の通り、厳しい社会状況にも関わらず、
自分の人生の幸・不幸はすべて自分の選択の
結果であるかのように思い込まされる
「自己責任社会」であること。

このような状況下において、うまくいかないのは
すべて自分の責任であると考え、苦しむ人が多い。

そこで氏は、「人生を半分あきらめる」ということを
提唱する。

今まで「手に入って当然」と考えていたものを
積極的にあきらめ、(=半分をあきらめる)

残り半分で自身がこだわるべき部分は
徹底的にこだわり、譲れないところは
決して譲ることのない人、
そういった区別できる、いわば自分の中に「ものさし」
をもっている人こそが、満足を得られる時代に
なっていく、という。

ただ漫然と豊かさ・幸せを求め、
受け身的な姿勢で、自分を時代や
社会に委ねて生きていくのでは、
苦しむことの方が多くなるというもの。

本書を読み、あきらめること=悪という
単純な式は成り立たないな、と感じた。

他にも、「あきらめる」ということの

 私は、派遣で働く、現在、50歳の独身男性です。バブル景気の崩壊と共に失業し、ここ、約20年間、『不安定な就労と低賃金』を、余儀なくされて、きました。免許証は一応、持っているのですが、自動車も所有していません。(このレビューをご覧になっている方で、私より、もっと、厳しい現況の方も、多く、いらっしゃると、お察しいたします。)

 『チャイルド・プア』や、『若者の過労死・ホームレス』、そして、『東日本大震災がもたらした大被害』などが、日常用語として認識され、使われる現在、『美しい国、日本。』などという言葉は、どこに、行ってしまったのでしょうか?世界的な経済低迷のなか、『行政や政治』が悪いのではなく、当然の成り行きでは、ないでしょうか?(経済的自然現象で、誰のせいでもないと思います。)

 週に、一度ほど、気晴らし(現実逃避)のため、囲碁の碁会所に行っているのですが、そこでも、派遣先の職場との、圧倒的な『経済的格差社会』を目の当たりにします。(碁会所で囲碁を打っている人のほとんどが経済的に困らず、悠々自適の生活を送っているのです!!)これは、新市場経済主義の成り行きというか、結末でしょうか?

 そんな中で、本書と出会いました。この本は、巷によくある、美辞麗句を並び立てた『古典的で学究的な心理学の書籍』とは、違い、『21世紀現在の現実的な人生の指南書』と、言っても過言では、ないと思います!!

 そもそも、本書に辿り着いたのは、NHKのEテレの、100分de名著の『フランクル・夜と霧』で、諸富祥彦先生の講義を拝聴し、感銘を受けたのが、きっかけでした。(NHK出版から発売されていますので、購読されていない方に、おすすめします。)

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