着物文様事典いろは―明治・大正・昭和の着物、帯の図柄 (弓岡勝美コレクション) の感想

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　着物が好きな人は，着物の格，仕立て方，布の別，生産地の別，織りと染めの違い，．．．などの基本を覚えた後，最終的に文様の持つ意味の知識を蓄え，着る着物に意味を持たせたい，と思うようになるかもしれません．
　この本は，そんな各文様が持つ，歴史・意味（吉祥文様など）を知りたい人には，大変入手しやすく，また知識も結構漏らさず網羅してあるので，いい本だと思います．
　
　大きさはA5くらい，４ｃｍくらいの厚さがありますが，ペーパーバックと書いてあるだけあって，厚さほど重みは感じず，十分“自分用に買える“本です．図書館などでしか見られない，でかくて重い本に近い内容があって，この使いやすいサイズとは，うまく考えましたね〜．
　長いこと，こういう本を探していましたが，文様についてをここまで詳しく，歴史と由来を踏まえて解説してくれてる本に初めて会うことが出来ました．購入して満足しています．これまでは，ここまで書けている物にはお目にかかってことがなく，問屋さんや着物屋さんから直に聞いて知識を増やすしかなかったからです．

　あと，読み終えて感激したのは，女性用の着物だけでなく，子供や男性の着物の襦袢や羽裏に使われた文様まで結構載せてくれていたこと．あまり見たことがなかったので，珍しくよいコレクションになりました．また，ここまでいろんな着物を写真付きで，詳しい文章解説と一緒にページ化してくれている本は，他に知りません．
　「事典」というだけあって，本の開いた上の端にあいうえおで，インデックスみたいなものも付いているので，読みながら「あれ？これはあれと関連したんじゃ．．．」とふと思いついても，巻頭の索引を見る必要がないです（というか索引自体が無かった気がする．．．）．

　惜しむらくは，有職文様が簡略されて代表的な物を少ししか載せてくれていないこと．明治以降と表題してるくらいですから，仕方ないですけども(汗)今度は，有職文様版のこの事典の発行を希望します！