沈黙のひと の感想
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参照データ
タイトル | 沈黙のひと |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小池 真理子 |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163758404 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » か行の著者 |
購入者の感想
作者の作品はサスペンスものしか読んでいませんでした。
本作品は、人間の真髄に迫ったもので、深く感動しました。
今、私が主人公衿子近い年齢であるためか、両親や自分の生きてきた過去を振り返って共感出来ることがたくさんありました。
この年になったからこそ許せることや、抑える気持ち、感謝の気持ち、ひとつひとつが頷けることばかりで、涙する場面が散りばめられていました。
言葉や体が自由にならずに、沈黙のひととならざるを得なくなってしまっても、人には心が存在するということを忘れてはいけないと感じました。
素晴らしい作品に出会えたことに感謝します。
本作品は、人間の真髄に迫ったもので、深く感動しました。
今、私が主人公衿子近い年齢であるためか、両親や自分の生きてきた過去を振り返って共感出来ることがたくさんありました。
この年になったからこそ許せることや、抑える気持ち、感謝の気持ち、ひとつひとつが頷けることばかりで、涙する場面が散りばめられていました。
言葉や体が自由にならずに、沈黙のひととならざるを得なくなってしまっても、人には心が存在するということを忘れてはいけないと感じました。
素晴らしい作品に出会えたことに感謝します。
著者の作品は直木賞受賞作を始め数作を読みましたが、どうにも感心出来るものはありませんでした。しかし、この作品は氏の中でも最上のものであると思い感銘しました。同時に物足りなさ、「惜しい」という感慨を持ちます。作品の最後に氏は編集者から「小説にしてください。」と言われ、氏なりに異母と異母姉妹の設定など、フィクション性を盛り込み私小説性を薄めたようですが、かえって失敗しています。現実通りに実の妹さんと二人で、父の残した性具や裏ビデオを発見し大笑いしたところから話を展開した方が、確かに材料は狭く話を広げにくくとも、迫力と情感の面から小説としては成功したのではと残念です。小谷野敦氏の簡潔なレビューとも重複するようですが、文藝春秋に書かれた小池氏のこの作品に関してのエッセイの方がはるかに興味を引き感動的だっただけに・・・・・。
それにしても、文中に登場する女性短歌作家とのいきさつをどうしてあれ程、長く書く必要があったのでしょうか? 実生活でも父上と交流のあった実在の人物のようですが、二人の短歌のやりとりと交流に作者が感動したとはいえ、少々入れ込み過ぎてしまい、結局として展開が間延びしたものになってしまっているのは明らかです。せっかくに異母・異母姉妹を設定したのに、ここだけが妙にノンフィクション化しています。ということは作者の意識しない内に記録性をおびてしまい、冗長になってしまった一因なのかもしれません。
繰り返しますが、氏の作品の中では最良のものだということには変わりありません。しかし、ここまで書いてしまうと、小谷野氏の望まれる私小説版ともいうべき再執筆は無理ではないかと思われます。
それにしても、文中に登場する女性短歌作家とのいきさつをどうしてあれ程、長く書く必要があったのでしょうか? 実生活でも父上と交流のあった実在の人物のようですが、二人の短歌のやりとりと交流に作者が感動したとはいえ、少々入れ込み過ぎてしまい、結局として展開が間延びしたものになってしまっているのは明らかです。せっかくに異母・異母姉妹を設定したのに、ここだけが妙にノンフィクション化しています。ということは作者の意識しない内に記録性をおびてしまい、冗長になってしまった一因なのかもしれません。
繰り返しますが、氏の作品の中では最良のものだということには変わりありません。しかし、ここまで書いてしまうと、小谷野氏の望まれる私小説版ともいうべき再執筆は無理ではないかと思われます。
これまでの著者の作品は、ほとんどが恋愛ものだった。
少々食傷気味であったことは否めない。
しかし今度のこの作品は、小池真理子の新境地といっていいと思う。
文体、内容、どこを切り取っても人間の凄味が垣間見える。
人は死ぬ間際、何を思い何を考え生きていくのか、深々と考えさせられる著書である。
読後感も素晴らしい。心の襞を抉られるようである。
壮絶な最期に、人は何を思うのだろう。
一読をお勧めしたい1冊である。
少々食傷気味であったことは否めない。
しかし今度のこの作品は、小池真理子の新境地といっていいと思う。
文体、内容、どこを切り取っても人間の凄味が垣間見える。
人は死ぬ間際、何を思い何を考え生きていくのか、深々と考えさせられる著書である。
読後感も素晴らしい。心の襞を抉られるようである。
壮絶な最期に、人は何を思うのだろう。
一読をお勧めしたい1冊である。