世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議 (ブルーバックス) の感想
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参照データ
タイトル | 世界は2乗でできている 自然にひそむ平方数の不思議 (ブルーバックス) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 小島 寛之 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062578196 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 数学 » 一般 |
※サンプル画像
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購入者の感想
かつて筆者の『数学的思考の技術』を読んで非常に面白かったので、今回もこの本を購入し、読んだが、非常に分かりやすく書かれており、整数論・特殊相対性理論・運動方程式・虚数・正規分布等が網羅的に理解できた。証明を行う際の記述も過不足無く、日本語として特異の達成を示していると感じられた。後書きにもあるように、20年かけて構想された書物だけのことはあると思う。
本書のタイトルは『世界は2乗でできている』とあるが、『世界』から連想される身近さを含意すると言うより、副題の『自然にひそむ平方数』を集めて解説したものと言った方が本書のコンセプトに近い。構成は「ピタゴラスの定理」から始まり、「フィボナッチ数列」、ガリレオの等加速度運動実験、慣性の法則、ケプラーの法則、フェルマーの定理(2平方数・4平方数定理ほか)、「ガウスと虚数」(合同式、2平方数定理ほか)、「オイラーとリーマン」(円周率と平方数の逆数和、素数ほか)、「ピアソンとカイ2乗分布」(正規分布、標準偏差ほか)、水素原子内の平方数(量子条件、複素数ほか)、特殊相対性理論(ローレンツ収縮、E=mc^2ほか)などのトピックからなる。
内容についてその論理を充分に理解するには、少なくとも高校数学の知識は必要だろう。具体的には二次・三次方程式、ネピア数、三角関数、数列、対数関数、指数関数、微積分あたりの数式が登場しあるいはその論理を前提とする解説が頻出する。文系の私では四苦八苦しながら食い付いていったが、やはりリーマンゼータ関数(リーマン予想)、ヤコビのテータ関数(87頁)辺りでは完全にお手上げであった。ただアインシュタインの(特殊)相対性理論やローレンツ収縮等は、これまで何度か挑戦してきた経緯から読み通せたが、解説が具体的なのでそれほど高度なものではないと言えるかも知れない。
印象的なのは、平方数の逆数和(無限数列)が円周率πの2乗を6で除したものになること、つまり自然数の平方数の逆数和から円周率が出現すると言う事実がまさしく不思議であった。他方前述のような“お手上げ”の理論はさておき、標準偏差の2乗平均の意義について著者は、2乗平均は「マイナスを消すための便宜」ではなく、「そうではないことが次第にわかってくる。2乗平均をとることは、いろいろな意味で、必然的な方法論なのである」(153頁)とあるのだが、私には(おそらくカイ2乗分布と関係するのだろう?が)当該章節の最後まで明確には解らなかった。文系の私には難度の高いトピックも散見されるところ、どちらかと言えば数学・物理学が好きな読者向きであろうが、なかなかに興味深いトピックもあって文系人間でも楽しめるものがある。
内容についてその論理を充分に理解するには、少なくとも高校数学の知識は必要だろう。具体的には二次・三次方程式、ネピア数、三角関数、数列、対数関数、指数関数、微積分あたりの数式が登場しあるいはその論理を前提とする解説が頻出する。文系の私では四苦八苦しながら食い付いていったが、やはりリーマンゼータ関数(リーマン予想)、ヤコビのテータ関数(87頁)辺りでは完全にお手上げであった。ただアインシュタインの(特殊)相対性理論やローレンツ収縮等は、これまで何度か挑戦してきた経緯から読み通せたが、解説が具体的なのでそれほど高度なものではないと言えるかも知れない。
印象的なのは、平方数の逆数和(無限数列)が円周率πの2乗を6で除したものになること、つまり自然数の平方数の逆数和から円周率が出現すると言う事実がまさしく不思議であった。他方前述のような“お手上げ”の理論はさておき、標準偏差の2乗平均の意義について著者は、2乗平均は「マイナスを消すための便宜」ではなく、「そうではないことが次第にわかってくる。2乗平均をとることは、いろいろな意味で、必然的な方法論なのである」(153頁)とあるのだが、私には(おそらくカイ2乗分布と関係するのだろう?が)当該章節の最後まで明確には解らなかった。文系の私には難度の高いトピックも散見されるところ、どちらかと言えば数学・物理学が好きな読者向きであろうが、なかなかに興味深いトピックもあって文系人間でも楽しめるものがある。