モノを捨てよ世界へ出よう の感想

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タイトルモノを捨てよ世界へ出よう
発売日販売日未定
製作者高城 剛
販売元宝島社
JANコード9784796689946
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

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購入者の感想

 閉塞した現代日本を幕末に喩え、かつて洋行した維新の志士達のように短期でも海外に住むことにより、僕ら個々人が旧い日本の権益システムから自由になることを説いた本。著者のように拠点を海外に持っている訳ではないが、1年の半分以上、海外で仕事をしている自営業者の僕にとって、書いてあることは常々自分も感じていたことであり、基本的には同意する。だが、如何せん、単に維新の志士達の言葉を並べて解説した章などはとても退屈なので、星は渋めに付けた。

 それでも、有機農業の国際ネットワーク・WWOOF(ウーフ)を活用したワーキング・ホリデーや、LCC検索サイトのスカイスキャナーなど、この人ならではの小ネタは面白い。オススメの渡航先としては、DJ文化の新たな中心地であるヘルシンキ、芸術家が住みやすいマドリードやベルリン、タイでは大都市バンコクではなく大都市化直前のチェンマイが挙げられており、これまで日本人がやたら崇めてきたパリやニューヨーク、ロンドンの評価がそれ程高くないのも、この人らしい。

 僕が最も感心したのは、上記のような情報性よりも、メディアや原発利権、官僚システムなどに対するこの人の怒りがストレートに表現されている点だ。嫌われ者の美人女優を妻にして、妬みも入り混じった飛ばっちりバッシングを受けて以降は売上比率が落ちたかもしれないが、日本のメディアや家電系大企業、行政との仕事は今でもこの人のメシの種のハズである。例え内容は平凡でも、ダメなものはダメと正論を書く度胸を僕は認めている。

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