シンプルな戦略―戦い方のレベルを上げる実践アプローチ の感想
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参照データ
タイトル | シンプルな戦略―戦い方のレベルを上げる実践アプローチ |
発売日 | 2014-04-11 |
製作者 | 山梨 広一 |
販売元 | 東洋経済新報社 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 人生論・教訓 |
購入者の感想
戦略フレームワークの説明をするだけの本が多い中、使える戦略を作る出すために実務的に何に注力すべきかが書かれている。経営学者にはできない、コンサルタントならではの指摘が参考になる。アカデミックな内容は熟知した経営企画担当者が、役員会を巻き込んでどのように戦略を策定していけば良いのかのヒントが得られる。
この類の本としては数少ない、5回くらい読む価値がある本。しかし、巷でよく売れる本みたいな分かり易さやキャッチーな表現がないので、あまり受け入れられないのかもしれない。ただし、著者は現役バリバリのコンサルタントだから、この書き口でしかるべきだと思う。
多分、マッキンゼーその他戦略コンサルやPEで3年くらい働いた人間が書いても、この本と90%〜95%までは同じことが書けるのではなかろうか。しかし、残り5%〜10%の「実際には〜」という類の言葉から始まる1〜2行の文章に、熟練のコンサルタントにしか書けないこの本のすごさがある。実際に現場で戦略策定に苦しんでいる人にとっては、はっとさせられる内容がたくさん詰まっているが、お勉強の一環で読んでいるだけだと、あまりピンとこないのだろう。
なお、事例は5年経てば常に古くなるものだし、他社の事例は常に参考以上のものにはならない(本書で指摘の通り、戦略は常に固有解であり、一般解になりえない)ので、それが古いものかどうかは評者にとってはあまり気にならなかった。また、ベストな戦略は常に環境変化とともに変わっていくので、事例に出た企業が今は問題を抱えていることを批判の論拠とするのも的外れ。絶好調のときのナポレオンの戦略を、「所詮最後には負けた人間の戦略」とこき下ろしても何の意味も無いのと同じ。
多分、マッキンゼーその他戦略コンサルやPEで3年くらい働いた人間が書いても、この本と90%〜95%までは同じことが書けるのではなかろうか。しかし、残り5%〜10%の「実際には〜」という類の言葉から始まる1〜2行の文章に、熟練のコンサルタントにしか書けないこの本のすごさがある。実際に現場で戦略策定に苦しんでいる人にとっては、はっとさせられる内容がたくさん詰まっているが、お勉強の一環で読んでいるだけだと、あまりピンとこないのだろう。
なお、事例は5年経てば常に古くなるものだし、他社の事例は常に参考以上のものにはならない(本書で指摘の通り、戦略は常に固有解であり、一般解になりえない)ので、それが古いものかどうかは評者にとってはあまり気にならなかった。また、ベストな戦略は常に環境変化とともに変わっていくので、事例に出た企業が今は問題を抱えていることを批判の論拠とするのも的外れ。絶好調のときのナポレオンの戦略を、「所詮最後には負けた人間の戦略」とこき下ろしても何の意味も無いのと同じ。