バランスト・スコアカードによる戦略実行のプレミアム―競争優位のための戦略と業務活動とのリンケージ の感想

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宣伝どおり大作です。読むのも結構大変です。
が、戦略策定からオペレーション実行、戦略の見直しにいたるサイクルについて、BSCを実現手段の中心におき、実務的にどう回すかについて臨場感ある説明で一杯です。ケースが多用されているためケース毎にばらばらな印象があり、自分の中でそれらを整理して理解するするのが結構大変でしたが、実物を使っての説明ですから当然大いに参考になりました。図表が豊富なのも良い点です。
惜しむらくは翻訳がいまいち。結構ひっかかりました。訳注もやり過ぎ…というものもあって、どうかなあという印象。

経営戦略をいかに日常の業務や個々人の目標にリンクさせ落とし込むかというのは、BSCが登場して10年近く経つという現在においても、変わらず多くの企業にとって壮大で奥深いテーマであると思います。おそらく概念的には理解できても、個々人が認識するレベルにまで実行するのはなかなか容易ではないのではないでしょうか。
本書は、戦略の構築から業務計画への落とし込みやモニタリング・検証などに至る一連のマネジメント・サイクルに沿って、多くの事例とともに個々の具体的な手法が紹介されており、この壮大なテーマについて体系的に理解するのに役立つと思います。
ただ、非常に残念ながら全体的に翻訳文がちょっと読みづらいと感じました。正直、日本語としての文章の意味を理解するのに苦労することも･･･。できるかぎり原文に忠実に翻訳されているのだとは思いますが、日本語原文の書籍とあまり変わらない「読み心地」を感じられるとよいかなと感じました。