日経ホームマガジン 中学受験をしない選択 (日経ホームマガジン 日経Kids+) の感想

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10歳あたりから急激に脳が発達するから、中学受験すれば自然に鍛えられる、
中学受験しないならば、せめて何々をやっておこう、という文脈で書かれている部分が多いです。

日本でいわゆる「エリート教育」を受けても、海外の本当のエリートとあまり渡り合えていない実態を
嫌でも見せらたり報道されることが増えてきました。海外では古典を叩き込むとか、
答えのない課題をディスカッションするとか、いろいろ聞こえてきます。

それに引き替え、我が国では、今でも受験科目のマニアックな知識を問う勉強が中心になっています。
近年では中学受験をして、早めにスタートをきることでこの大学受験を有利にすすめよう、
という風潮が強くなっているようにさえ思われます。
何とか受験制度に縛られるのを遅らせて、小学校や中学低学年のうちにやれることを考えておこう、
と思って手に取ると、あまり期待に応えてくれる本ではなさそうです。

「公立出身×私立出身　東大への道のり」
といった「現役東大生トークバトル」のコーナーがあり、
それがこの本の目線を表しているように思われてなりません。

もちろん、受験科目の勉強も大切だと思いますが、
これからの不透明な時代に海外のアグレッシブで、教養を叩き込まれたり
高度な思考力・対話力を鍛えられた人たちとも渡り合える本物の人材を育成する、
これを現状の受験制度や学校教育を前提とした環境でいかに実行するか、
といった視点の本も期待したいと思っています。