検証 大阪の教育改革――いま、何が起こっているのか (岩波ブックレット) の感想

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タイトル検証 大阪の教育改革――いま、何が起こっているのか (岩波ブックレット)
発売日販売日未定
製作者志水 宏吉
販売元岩波書店
JANコード9784002708331
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

本書は、現在大阪大学で教鞭をとられている著者が、大阪で起こって
いる橋下徹氏や日本維新の会による教育改革の内容や影響を批判的に
検証した上で、真っ向から橋本教育改革に"NO"を突きつけた本である。

本書は4章構成になっていて、第1章で、橋下氏が降り立った現在の
教育界の現状を、国際的および国内的観点から位置づけている。続く
第2章では、府知事時代の3年半ほどの間に行った教育行政について
まとめている。第3章では、維新の会が提出した教育基本条例案を批
判的に検証し、その無謀さを明るみに出している。最後の第4章では、
今まで培ってきた大阪の教育的な特徴を考慮に入れながら、教育基本
条例が大阪の教育に及ぼす影響について考察している。

PISAショックが日本を襲い、教育改革の機運が高まっていた時に大阪
府知事に就任し、「民意」を背景に、競走主義や成果主義に代表され
る新自由主義を大阪の教育に導入を試みた橋本徹氏。本書では、府知
事時代に行った教育改革について、地方自治体や教育現場へのインパ
クトなどを検証しながら議論している。

本書の核心となるのは、やはり維新の会が提出した教育基本条例案に
ついてである。「各学校の5%の教員に不適格の烙印を押す」「三年連続
定員割れした高校は統廃合の可能性があること」「府立高校の校長は
任期付の公募で民間から選び出すこと」「教育目標は知事が定めるこ
と」などを盛り込んだ、非常に過激なこの条例案について、これは全く
愚行であることを、著者の意見を中心に、他国の新自由主義を取り入れ
た教育改革の結果などを踏まえながら、真っ向から反論をしている。

教科指導にとどまらず、クラス経営や部活指導など、極めて専門性が
高い要素を持つ教育職を、「公務員」という括りで単純化した視点で
捉え、教育の成果とは何かを検証しないまま競争させ、成果主義を取り
入れていく橋下教育改革が非常に危険であることは、少しでも教育学

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