【Amazon.co.jp限定】エリジウム スチールブック仕様(完全数量限定生産) [Blu-ray] の感想

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設定はおもしろい。しかし梗概を上回る内容ではなかった。
結末もその先を考えるとハッピーエンドには思えない。
『第9地区』という素晴らしいSF映画の後では、『エリジウム』は少し物足りなく感じる。

　近未来、富裕層は地球を捨てコロニー「エリジウム」で天国のような暮らしをし、貧民は地球で貧困に喘いでいた。エリジウムではあらゆる病気が治療できる。地球のマックスはエリジウムを目指す。
　
　これはもちろん医療制度などを含めた現代のアメリカのメタファーであり、地球人がたまにスペイン語を話したりするところなんかはニヤリとしてしまう。ＳＦ的な世界観はすごぶる惹かれるし、画の綺麗さも申し分ない。
　ただ、そういった世界観の割りにはストーリーが魅力的でなかったように思えた。うまく言えないが、なんか惜しい。

やけに、酷評が目立つのは、前作「第９区」がそれまでに無い少し違った設定やキャラクター設定のため、「異色」に映ったからだろうか。

今作品でも、この監督の持つ土臭いリアル感を持ち込んだ描写は踏襲されているが、内容は、貧しい若者が自分の命を救うために富裕層が持つ万能治療装置を目指す単純なアクション映画である。

なんだか、やけに、
設定が陳腐、
深みが無い
と言った意見が目立つが、
SF映画の金字塔である「ブレードランナー」「スターウォーズ」「ターミネーター」でも、そんなに深みがあった訳ではない。
観る者が勝手に、
自分探し、子供の成長、反核などのテーマを見出してきただけである。

この映画は、キャラクター設定も悪人、善人設定が明確で、予定調和で話は進む。
時代劇を観ているような気楽さである。

しかし、CGはかなりリアルで釘付けになる。
単純なアクションと映像を楽しみましょう。

この監督の独特のリアリズム。暗い未来は敬遠したいが、映画で楽しむには悪くはないかも。ジョディ・フォスターが意外な配役と言うのが味噌。