ドイツ環境都市モデルの教訓 (エネルギーフォーラム新書) の感想
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参照データ
タイトル | ドイツ環境都市モデルの教訓 (エネルギーフォーラム新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 竹ケ原 啓介 |
販売元 | エネルギーフォーラム |
JANコード | 9784885553943 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 環境問題 |
購入者の感想
ドイツはよく知られた環境先進国だ。その先進性を紹介した本も多い。しかし、本書の特徴でありすぐれた点は、先進性を崇め賞賛するだけではなく、常に日本にとってのインプリケーションは何か、を読者と一緒に考える点だ。一貫したその姿勢に、読者は次々と登場する具体性に満ちた事例紹介を読みながら、ここからは何を学ぶことができるのか、といつの間にか考える「くせ」がついてしまう。
海外礼賛一辺倒でもなく、また所詮日本とは前提が違う、とあきらめるのでもなく、健全な批判精神をもって、日本は何を学ぶべきか、どう行動すべきかを冷静に考えるのは、環境問題に限らず今の日本に一番必要な態度ではないだろうか。
海外の先進事例から事象の本質をどう抽出し、何を学ぶか、という思考訓練をするうえで、実に示唆に富む本だ。
長年ドイツに駐在した著者とドイツ人との共著という組み合わせならではの、現地環境政策に関する豊富な情報量も大きな特徴だ。歴史的背景や国民性なども紹介しながら、政府・企業・市民など幅広い関係者が、どう環境問題の解決に真摯に取り組んできたかを紹介する。政策の失敗とその軌道修正の例も含め、取り上げる事例や話題の豊かさ、分析の鋭さが際立つ。
環境問題は政府だけでも、企業だけでも解決できない。著者が強調するように市民参加もきわめて重要だ。日本の、そして世界の環境問題を考えるうえで、すべての人に読んでもらいたい中身の濃い好著である。
海外礼賛一辺倒でもなく、また所詮日本とは前提が違う、とあきらめるのでもなく、健全な批判精神をもって、日本は何を学ぶべきか、どう行動すべきかを冷静に考えるのは、環境問題に限らず今の日本に一番必要な態度ではないだろうか。
海外の先進事例から事象の本質をどう抽出し、何を学ぶか、という思考訓練をするうえで、実に示唆に富む本だ。
長年ドイツに駐在した著者とドイツ人との共著という組み合わせならではの、現地環境政策に関する豊富な情報量も大きな特徴だ。歴史的背景や国民性なども紹介しながら、政府・企業・市民など幅広い関係者が、どう環境問題の解決に真摯に取り組んできたかを紹介する。政策の失敗とその軌道修正の例も含め、取り上げる事例や話題の豊かさ、分析の鋭さが際立つ。
環境問題は政府だけでも、企業だけでも解決できない。著者が強調するように市民参加もきわめて重要だ。日本の、そして世界の環境問題を考えるうえで、すべての人に読んでもらいたい中身の濃い好著である。