俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスα) の感想

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参照データ

タイトル俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスα)
発売日2012-10-05
製作者水城せとな
販売元小学館
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

あまりの素晴らしさに、既に持っている『窮鼠…』の新装版まで買ってしまいました。

モテ人生を送ってきた恭一ですが、実はそれは一種の処世術の結果に過ぎず、恋愛の深奥を覗いたことがない。そのうえ自分がゲイではないことに拘り続けている(当然ですが)。だから自分が今ヶ瀬に対して抱える気持ちに名前がつけられない。一方、今ヶ瀬もノンケがいつまでも自分につきあってくれるとは思っていない。恭一に尽くす一方で、恭一の部下たまきの存在に動揺し、ことあるごとに自虐的なセリフを吐いては際限なく恭一を試すような真似をしてしまう。

こんな不毛な消耗戦のような関係が、一体どこに着地するのか?

どこまでも予断を許さぬ怒濤の展開を経て辿り着いた物語の最後は、恭一の静かな覚悟のモノローグで終わる。恋愛というだけでなく、人間関係の本質を正確に捉えているようなこのエンディングは、しみじみと胸に迫ります。登場人物全ての幸せを願わずにはいられなくなる、余韻に満ちた素晴らしい結末です。

個人的に好きなシーンは、中盤のクライマックス、今ヶ瀬が恭一の美点を数え上げるところ。ここは、その後の、恭一の遅すぎた自覚の場面と合わせて、別れのシーンとしては恋愛漫画史上屈指の名場面だと思います。

二人の会話、特に終盤の、機関銃の弾を撃ち尽くすような言葉のやりとりも、実にスリリング。その一方で、二人が重い話をしていても、いつのまにかそれがユーモラスなやりとりに変わっていたりする、これがまたいい。深刻さを相対化する作者の冷静なまなざしが、本書のリアリティや普遍性を担保しています。

最後に、BL読みとしては、やはりリバに萌えました…。受けている時の恭一の自己分析とか、チャンネルが切り替わったときの今ヶ瀬の凶暴な目つきとか。これぞ男同士の関係でしかあり得ないエロスです。

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