大統領の執事の涙 [Blu-ray] の感想
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参照データ
タイトル | 大統領の執事の涙 [Blu-ray] |
発売日 | 2014-08-15 |
監督 | リー・ダニエルズ |
出演 | フォレスト・ウィテカー |
販売元 | KADOKAWA / 角川書店 |
JANコード | 4988126429133 |
カテゴリ | DVD » ジャンル別 » 外国映画 » ドラマ |
購入者の感想
ホワイトハウスで、アイゼンハワーからレーガンまでの歴代大統領に仕えた、
実在の黒人執事の半生を描いた作品ですが、“家政婦は見た”的な、
国家内部の実態を暴露したスキャンダラスな内容ではなく、誰もが知っている、
黒人差別に関連するアメリカの歴史をなぞって、権力に仕える主人公と、
差別撤回のための運動にのめり込んでいく息子との関係を通して、家族愛を
メインに描いた、ヒューマンドラマに仕上がっています。
最後に、黒人で初めてオバマが大統領になったことを、民主主義の勝利として
締めくくっていますが、誘拐されて、12年間南部の農園で奴隷として生きた黒人の
実話を描いて、今年のアカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた「それでも夜は明ける」
を筆頭に、「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」「ジャンゴ 繋がれざる者」「リンカーン」と、
最近、この手の作品が増えているのは、中東情勢に目が行っていた国民の
関心が国内問題に移り、未だに根強く残る人種差別問題にトライ出来る、
本作のリー・ダニエルズやスティーブ・マっクイーンのような優秀な黒人監督や
役者たちが育って来たからではないでしょうか。
「アメリカ人は、自国の歴史の暗部に、ずっと目を背けてきた。
海外の歴史には、あれこれと批判するくせに。
強制収容所が、その良い例だ。
アメリカでは、同じような人種隔離が200年も続いていたのだ。」
主人公が、最後に語るモノローグが胸に深く突き刺さり、アメリカの良心を感じました。
実在の黒人執事の半生を描いた作品ですが、“家政婦は見た”的な、
国家内部の実態を暴露したスキャンダラスな内容ではなく、誰もが知っている、
黒人差別に関連するアメリカの歴史をなぞって、権力に仕える主人公と、
差別撤回のための運動にのめり込んでいく息子との関係を通して、家族愛を
メインに描いた、ヒューマンドラマに仕上がっています。
最後に、黒人で初めてオバマが大統領になったことを、民主主義の勝利として
締めくくっていますが、誘拐されて、12年間南部の農園で奴隷として生きた黒人の
実話を描いて、今年のアカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた「それでも夜は明ける」
を筆頭に、「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」「ジャンゴ 繋がれざる者」「リンカーン」と、
最近、この手の作品が増えているのは、中東情勢に目が行っていた国民の
関心が国内問題に移り、未だに根強く残る人種差別問題にトライ出来る、
本作のリー・ダニエルズやスティーブ・マっクイーンのような優秀な黒人監督や
役者たちが育って来たからではないでしょうか。
「アメリカ人は、自国の歴史の暗部に、ずっと目を背けてきた。
海外の歴史には、あれこれと批判するくせに。
強制収容所が、その良い例だ。
アメリカでは、同じような人種隔離が200年も続いていたのだ。」
主人公が、最後に語るモノローグが胸に深く突き刺さり、アメリカの良心を感じました。
描かれる背景が長期に渡るため、全体がアメリカ黒人差別歴のダイジェストみたくなっちゃってます。
と言うのも、政治の中枢にも巣くう黒人への差別意識に日々、苦々しい気持ちを押さながら静かに奉仕の仕事を完璧にこなす主人公に対し、その息子(長男)は黒人の市民間で勃発する差別撤廃運動に身を投じ、時代の寵児たるキング牧師にマルコムX、公民権運動やブラック・パンサー。加えマンデラ(後の南アフリカ大統領)の釈放要求へと連なる流れ全てにダイレクトに関与。
その行動が父親である主人公の寡黙さに対する分かりやすいアンチテーゼになり、しかし作為的/意図的すぎ、まるで模範解答みたく歴史的事実を並べたてただけで、まったく味が無く、返って薄っぺらい印象を残します。
なので、そんな作り込みすぎた本筋/物語(実話に材をとっているらしいが、どこまで事実が不明)より、要所、要所で主人公の心に熱く訴えかける下記のような妻の言葉(台詞)の方が印象深く、とても良いなぁ〜と感じました。
例えば予告編にもある、長男が父親の執事としての仕事ぶりを「事なかれ主義」だと愚弄する場面。
それまで長男側に立っていた母親が一転、「その愚弄した執事が、あなたの全てを創ったの」と一喝するとこ。
他にも、お互いに歳老いた主人公夫婦が、波瀾な人生を清算するがごとく、夫が二度と戻るまいと誓っていた子供時代を過ごした辛い土地を訪れる場面。
奴隷然として扱われ、悲劇が染み込んだ場所へと踏み入った際、夫の複雑な心境を察し、寄り添った妻が、そっと優しく「亡くなった母親に自慢出来るわ、あなたと人生を供にした事をね」と、温かく言い添える。
そんな夫婦の培ってきた愛情表現の方が、個人的には心に強く響きましたね。
と言うのも、政治の中枢にも巣くう黒人への差別意識に日々、苦々しい気持ちを押さながら静かに奉仕の仕事を完璧にこなす主人公に対し、その息子(長男)は黒人の市民間で勃発する差別撤廃運動に身を投じ、時代の寵児たるキング牧師にマルコムX、公民権運動やブラック・パンサー。加えマンデラ(後の南アフリカ大統領)の釈放要求へと連なる流れ全てにダイレクトに関与。
その行動が父親である主人公の寡黙さに対する分かりやすいアンチテーゼになり、しかし作為的/意図的すぎ、まるで模範解答みたく歴史的事実を並べたてただけで、まったく味が無く、返って薄っぺらい印象を残します。
なので、そんな作り込みすぎた本筋/物語(実話に材をとっているらしいが、どこまで事実が不明)より、要所、要所で主人公の心に熱く訴えかける下記のような妻の言葉(台詞)の方が印象深く、とても良いなぁ〜と感じました。
例えば予告編にもある、長男が父親の執事としての仕事ぶりを「事なかれ主義」だと愚弄する場面。
それまで長男側に立っていた母親が一転、「その愚弄した執事が、あなたの全てを創ったの」と一喝するとこ。
他にも、お互いに歳老いた主人公夫婦が、波瀾な人生を清算するがごとく、夫が二度と戻るまいと誓っていた子供時代を過ごした辛い土地を訪れる場面。
奴隷然として扱われ、悲劇が染み込んだ場所へと踏み入った際、夫の複雑な心境を察し、寄り添った妻が、そっと優しく「亡くなった母親に自慢出来るわ、あなたと人生を供にした事をね」と、温かく言い添える。
そんな夫婦の培ってきた愛情表現の方が、個人的には心に強く響きましたね。