傷だらけの店長: 街の本屋24時 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル傷だらけの店長: 街の本屋24時 (新潮文庫)
発売日2013-08-28
製作者伊達 雅彦
販売元新潮社
JANコード9784101278711
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 図書館情報学

購入者の感想

一日二、三回は本屋に行く。一日一冊は必ず本を買う。本屋に行かない日が、年に二、三日あるかどうか。…というくらい本と本屋が好きです。しかし、ここまで本屋が凄まじいところだとは思いもしませんでした。この本に登場する人のように、「好きな本に囲まれてラクでいいよな」と心のどこかで思っていました。とんでもない。本屋とは、厳しい厳しい戦場です。

この本を二日前にいつもの本屋で見かけ、(毎日文庫の棚をチェックしているので、新しい本があるとすぐわかる)立ち読みし、「おお、すごい熱量の文章だ。へえ、本屋の万引きってそんなにあるんだ。私は見たことないけど」などと思いながら棚に戻し、そのまま帰宅。家に帰ってから、なにか心がもやもやし…。「あの本、すごい本かもしれないぞ。ただ、毎日気楽に通っている本屋を見る目が変わってしまったら困るな…」と戸惑いながらも翌日に購入。今日、あまりにも面白く、没頭して一気に読み終えました。それだけでは止まらず、もう一度通して読みました。十数回読了した小説はありますが、日に二回も通読した本は初めてです。そのくらい面白い本でした。

本屋の店長である著者の苦闘の毎日が描かれています。苦しいことの連続で、著者が華麗に活躍するエピソードはほぼ無いといっていいですが、共感もし、驚嘆もし、また感動し、夢中になりました。

私も、昔住んでいた町で毎日通っていた本屋が無くなったあと、電車の中でいつもレジにいた女性店員を発見し、「すみません、○○書店のかたですよね?」「はい、ああ、いつもありがとうございます」「なんであの本屋、閉店したんですか?」「店舗との契約が切れて…。店長が店を続ける意志がなくて」…などと切ない会話をしたことがあります。また、ある書店が無くなる日に、お世話になったから見届けようと閉店時間まで粘り、閉じるシャッターの前で店長が「今までありがとうございました」と礼をした時に、とても悔しそうな顔をしていた思い出などが蘇りました。その思い出達が、より鮮明に、苦く、強烈になった感があります。

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