仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書) の感想

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タイトル仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者春日 太一
販売元新潮社
JANコード9784106104596
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

すごい資料本です。そして(恐らくは著者にも期せずして)読み物としてもすごい本になってます。
まあ読み物としてスゴイのは著者の筆力というより、取り上げられた人々の、そしてその人々の生きた時代が(不謹慎な言い方ですが)あまりにも熱く・面白いからなんですが。

1970年生まれの自分にとって、戦後から60年代あたりの邦画というのはTVの特番の中で「昔はすごかった」として紹介されるだけのものでした。「黒沢明はえらい監督なんだよ」と言われても、地方の映画館ではもうそんなもの上映してないし(笑)。
すでにメディアの主流はTVに移り、しかしそのころのTVではなぜあんなにも沢山の時代劇が常時放映されていたのか?

自分の小遣いで映画を観るようになった80年代には、映画と言えば洋画のことでした。邦画というのはそもそも本数も少なく「安っぽいダメなもの」の象徴であり、アニメ映画以外には全く興味はありませんでした。
しかし90年代あたりから洋画の監督の多くが「子供の頃に観た日本映画からの影響」を語っていたりするのを知って、疑惑?を感じるようになってもいました。もしかして邦画には自分の知らない「何か」があったのではないか??

そのあたりの「謎」を一気に氷解してくれたのが本書でした。
邦画にもバブル期とかあったんですね…確かに「七人の侍」とかよく見るととんでもない金のかけかたしてます。
言われてみれば「タイトルだけは知っている」というような作品のほとんどは東宝か東映のどっちかの作品でした。戦後から70年代までの両社の「経営」と「商品」(すなわち映画の製作現場)を囲む状況を分かりやすく、関係者については実名を挙げて解説してあります。
なので本書を読んだ後、興味を持った部分をさらに掘り下げるためのガイド本としても高い品質があります。

繰り返しますが良い資料本として、そして熱い読み物としてオススメします。これはまさに邦画への「愛」の結晶です。

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