映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION) の感想

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参照データ

タイトル映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)
発売日販売日未定
製作者町山 智浩
販売元洋泉社
JANコード9784896916607
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

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購入者の感想

まず冒頭。
キューブリックの発言を引き合いに出して
「勝手に解釈していいって彼も言っている」と言う「2001年宇宙の旅」ファンに向かって、
「そんなこと、キューブリックは言っていない」と町山氏が断言するところで引き込まれる。
自分が何を読んでいるのか、その発言の前後の文脈はどうなっているのかを意識しないまま、
断片化した情報を、自分の都合に合わせて取り込むのが日常化してしまっている事を、改めて突きつけられるエピソードだ。

私がこれらの映画を見たのは80年代、テレビのナントカロードショー。
制作当時とは大きく世界情勢もかわりつつあり、ましてや勉強嫌いの中学生は歴史もへったくれもなく、未熟な感性のみで受け止めるしかなかった。
自分が不安感・不安定さを感じるのは何故なのかも無視して。
この本はそんな宙ぶらりんのままだった自分に着地点を用意してくれた。
まえがきで著者も言っている。
そんなひとたちの為の本だと。

町山さんの語り口は整理されているし、知識のない読者もついていかれるようキチンと説明がなされている。
(解説がなければ、ニーチェのくだりなどチンプンカンプンだった)
入門者にもとても分かりやすい所が素晴らしい。

「2001年宇宙の旅」では製作の過程・監督の企みを面白く読んだが、
「地獄の黙示録」では一筋縄ではいかない映画業界の混沌を見せられて背筋の寒くなる思いがした。
(マーロン・ブランドのイメージが「D・N・A」しかない私には、至極納得のエピソードもあり)

しかし単なるトリビア本ではなく、アメリカの歴史やそこで生きた映画制作者たち一人ひとりの思い、運命、観客達…
さまざまな流れを描いて、60年代後半から70年代にかけてのハリウッドの物語となっている。
十数本の映画を扱っていながら、一本の濃い作品を観た様な満足感が得られると思う。

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