ハローサマー、グッドバイ (河出文庫) の感想

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参照データ

タイトルハローサマー、グッドバイ (河出文庫)
発売日販売日未定
製作者マイクル・コーニイ
販売元河出書房新社
JANコード9784309463087
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

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購入者の感想

バーナード嬢曰く。に影響されて買った本。
訳はちょっと読みにくい(直訳調)ところもあったが、丁寧に訳してくれているという印象。あとがきを見て訳者さんの苦労を知って、素直に尊敬した。
途中までは☆3.5くらいの評価だったのだが、終盤で一気に☆5に。
最初はこれジャンルSF? 異星設定以外、ファンタジーと言われた方がしっくりくるなあと首を捻って読んでいたのだが、うん、まぎれもなくSFでした。
……どうでもいいが、表紙の女の子ってブラウンアイズ? 彼女は海辺の町に育った健康的に日焼けした女の子ってイメージなのだが。本文中にも褐色の肌、みたいな表現があったような。

この星に住む人間が寒さに発狂するほどの恐怖を抱いていて、フリーザー、フリージング(凍るほど~だ)という言葉が汚い言葉(英語でいうfu〇k)になっているという設定には目を瞠った。変った動植物の存在よりもこういう文化の設定が、この小説が異星の物語であり主人公たちが地球人ではないということを印象付けてくれたように思う。

主人公は思春期反抗期少年って感じでひねくれている。自分の親を筆頭に、周囲の人たち(主に大人)を見下している。それは終盤まで変わらないのだけれど、読者目線で見ると、そんなに酷い人たちかなあ、と同情したくなる。特に主人公の父親とか。そりゃ権威主義的なところはあるけど、彼は彼なりに必死で、間違いなく家族を愛していたと思う。両親の愛情が最後まで主人公に伝わらなかったのは残念。

全体的に、善悪がはっきり分かれているタイプの物語ではないのでいろいろ考えさせられる。たとえば主人公はパラークシの人々側に立っていて、議会・役人側を敵視している。頼んでもいないのに勝手に戦争を始めて自分たちに不自由を強いる議会を憎悪するのは当然なのだが、議会(国全体)から見ると申し訳ないとは思うが国を守るためには仕方ないんだ受け入れてくれ、と言うのは当然だろう。このあたり、パラークシが海辺の町だということも相まって日本の某問題と重なった。解決しようのない溝だ。
(……まあ、終盤に差し掛かるまでは、の話だが)

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