No.79 L.モーツァルト/おもちゃの交響曲 (Kleine Partitur) の感想

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参照データ

タイトルNo.79 L.モーツァルト/おもちゃの交響曲 (Kleine Partitur)
発売日販売日未定
製作者レオポルト・モーツァルト
販売元日本楽譜出版社
JANコード9784860600792
カテゴリジャンル別 » 楽譜・スコア・音楽書 » クラシック » その他

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購入者の感想

この交響曲の作曲家はハイドンでもL.モーツァルトでもなく、チロルの作曲家アンゲラーの作品だとする説が有力だそうです。しかし、名だたる作曲家が作っていないとはいえ、この曲の先進性が失われるものではありません。数々のおもちゃの使用は、間接的に、20世紀の具体音、サンプリングの手法を先取りしているといえるのではないでしょうか。また、弦の奏でるメロディーにたいするおもちゃ楽器の音色は、旋律中心主義の西洋音楽においてとても特異に移ります。メロディーがなくても楽曲がなりたつ、この曲はその可能性を示しています。なにより当時としては騒音ともとられかねないおもちゃの音色を、これほどまでにチャーミングな曲の中に埋め込むアンゲラーの才能は非凡であるのではないでしょうか。
当初のアンゲラーの作曲とは幾分編曲が加えられ流通しているようですが、このこともこの曲の価値を下げるものではありません。むしろ、このように作曲者の名前が消え、多くの人間に親しまれたからこそ、さらに洗練され、シンプルかつ美しい曲に仕上がったと思います。作曲家の原典至上主義は、ここではこの曲の特性を否定するものになってしまうのではないでしょうか。例えば、ビオラパートの削除は、弦の響きをさらに明るくすることに成功していますし、二楽章でかっこうが鳴くところを弦のピツィカートで伴奏するのではなく、完全なソロにした部分は、前後の対比を出し、かっこうの音色を楽しめるという点でも良い変更だと思います。
小品集の中でしかCDでは取り上げられない曲ですが、紛れも無い名曲だと思うので、ぜひ興味ある方は楽譜を手にとってみてはいかがでしょうか。

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