美しい絵の崩壊 [DVD] の感想

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背徳感たっぷり、退廃臭ぷんぷん、反モラルの窮みと道徳観をぶちのめす内容なんですが、実にあっけらかんとした印象を放ちます。

単純かも知れませんが、それはきっと視覚的に明るさが飛び込むロビン・ライトとナオミ・ワッツ双方の金髪効果。

今風に言えば「美魔女」な容姿は成熟した女性の色気を香りたたせ、蒼く澄んだ眼球も透明感と涼しさを漂わせます。

加え住居たる家々も季節を問わず風靡な景観を称える沿岸部にひっそりと建ち、実に優雅な暮らしぶりを伝える感じ。

そこでは世の喧騒はけっして及ばず、美の神々は安堵の中でこの上ない快楽と神秘を探求し、思うままに身を委ね、いつまでも、いつまでも幸せに暮らしましたとさみたいな。

そんな何もかもが浮世離れした体で、本来なら泥沼化しそうな不道徳な物語を究極まで美化し、なんとなく「向こう側の寓話」として収まらせてしまっています。

悪く言えば、「そんな方向に進みます?」てな急旋回をみせるソープドラマ同様な話だとは思いますが、取り揃えた素材(俳優)が最高級品ばかりで、料理人(監督)も目一杯腕を振るうので、妖しくも美味なる一作として花開きましたね。