続 名画を見る眼 (岩波新書 青版 E-65) の感想
190 人が閲覧しました
参照データ
タイトル | 続 名画を見る眼 (岩波新書 青版 E-65) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 高階 秀爾 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784004140658 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 |
購入者の感想
「名画を見る眼」の続編で印象派以降の作品を取り上げている。本書の優れたところは前作でもそうだが一つ一つの作品に込められた意味、駆使されている技法、画家の生涯、時代背景、その作品が後に与えた影響までを丁寧に解説しているところだろう。用語で埋め尽くされて過度に専門的になるわけでもなく、かといって安直な通り一遍の解説に陥ることなく程良い突っ込み具合で絵画への興味を高めてくれる本書はまさしく名画を見る「眼」を育ててくれるものだと思う。印象派以降は絵に寓意を込めることはあまりされておらず、そういう意味では作品を「読み解く」ということをせずとも感覚的に見ただけで楽しめる。しかし、技法を知ることによりその画家が事象に含まれるものの「何を」一番描きたかったのかが分かってくる、そういったことを教えてくれたのが本書だった。セザンヌ、ゴッホ、モネ、ピカソ…それぞれ取った技法が違うのはやはり事象を見る眼が異なっていたからだということが非常に良く分かる。
より深く絵画を楽しむ入門書としてはもちろん、少し詳しい方でも充分読み応えがある。これを読めばもはや美術館で絵の前を素通りするようなことは無いでしょう。
より深く絵画を楽しむ入門書としてはもちろん、少し詳しい方でも充分読み応えがある。これを読めばもはや美術館で絵の前を素通りするようなことは無いでしょう。