韓国とキリスト教 (中公新書) の感想

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タイトル韓国とキリスト教 (中公新書)
発売日販売日未定
製作者浅見 雅一
販売元中央公論新社
JANコード9784121021731
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教一般

購入者の感想

最近何かと問題になっている日韓関係。あとがきに「相互の差異を理解することで、理解を深めることが目的である」と書かれている。韓国をキリスト教の視点から見るという切り口が私にとっては初めてで一つ一つとても勉強になった。本書はまた、著者のお二人が日韓出身の歴史研究者であるいうことで、現代社会の抱える問題に歴史がどう貢献できるのか、一つの可能性を示されたように思う。読みやすいので、一人でも多くの日本人、特に理解を深めるチャンスを失っている現代の若者に読んでほしいと思う。

この本を読むまで、韓国におけるキリスト教の影響力の大きさに気づきませんでした。それまで、半島にキリスト教信者が多いということを漠然と知っていたくらいで、儒教の精神が強いという先入観にとらわれていたこともあり、国民の30%がキリスト教徒、しかもプロテスタントが主流だったことを知り、半島関係のニュースでキリスト教関係者が頻出することや在日韓国人が多く住む生野区にやたらと教会がおおいことに合点が行きました。
本書では、日本と異なるキリスト教伝来の事実を淡々と述べています。イエズス会でなく朝鮮出兵が最初の接触であったことは驚きです。現代の韓国社会における問題点の分析も明確です。日本でも芸能人が入信したカルト教団もさることながら、大統領選挙で教会信者が票田になる問題など奥深い病巣が垣間見えます。
特筆すべきは、北朝鮮のキリスト教事情について書かれていることです。今まで秘密のヴェールに覆われていたのですが、政府が国策上許容する姿勢を見せていることが明らかにされており、ヴァチカンを絡めた半島情勢が浮き彫りにされています。
過去から現代、そして未来へ。半島におけるキリスト教の存在は目を離すことができないのがよくわかりました。

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