第一次大戦小火器図鑑1914~1918 の感想

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参照データ

タイトル第一次大戦小火器図鑑1914~1918
発売日2017-04-20
製作者白石 光
販売元イカロス出版
JANコード9784802203494
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

まず、個別小火器のカタログ的な網羅と機構解説が欲しいなら、この1冊は向きません。

筆者の切り取る視点は、後装填式金属薬莢弾の登場で、小火器に関しては、殆ど
技術的飽和を190年代初期に果たしている、ということからスタートします。
(所謂、サイドアーム・ショルダーアームという分野ですね)

実際、英国のリー・エンフィールド小銃や、コルト・ガバメント、BAR等は、第二次大戦
まで使われていますし、日本のアリサカ銃も、三〇年式~三八式~九九式と使われ
続けています。

マシンガン体系が確立し、マキシム・ビッカース重機関銃が登場した時点で、飛躍的に
殺傷能力が上がった(=銃弾の消費量も桁違いになった)時点で、国家戦争は総力
消耗戦の時代に突入し、凄惨な塹壕戦の膠着になります。そして実は、その先駆けは、
日露戦争の旅順攻防戦です。毀誉褒貶の多い乃木将軍ですが、塹壕を掘り進めての
要塞の工兵地下爆破、というのはこの時期には画期的でした。要塞そのものを戦術
目標とせず、二十八サンチ重榴弾砲での港湾攻撃というのも、児玉源太郎の力添え
があったとはいえ、炯眼だったと言えるでしょう。

この1冊を通して感じるのは、第二次大戦や太平洋戦争が、国家戦争の大消耗戦に
なる、というのが、国家戦略の一つの政治的前提となったこと、そして、国力、なかんずく
資源と生産力、輸送力が勝敗を分ける、ということです。そして、先進国(と言って良いか
判りませんが)の少子化時代と人権意識の高まりの中で、国家総力戦というのは、核兵器
が実質禁手になった状況にあっては、もう生起しないあろう、ということです。
(第一次大戦の実質的な終結のターニングポイントが、ロシア革命と、独逸のキール軍港
 の反乱、要は、軍(=兵)が、もう嫌だ、と言いだしたことにも象徴されます)

この膠着状態を打破するために、毒ガス・戦車・大規模航空戦といった、「新兵器」体系が
生み出されますが、これが、塹壕内での格闘戦でのサブマシンガンと共に、国家正規戦

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