モノたちの宇宙: 思弁的実在論とは何か の感想

222 人が閲覧しました
アマゾンで購入する

参照データ

タイトルモノたちの宇宙: 思弁的実在論とは何か
発売日販売日未定
製作者スティーヴン シャヴィロ
販売元河出書房新社
JANコード9784309247656
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 哲学・思想 » 哲学

※サンプル画像

購入者の感想

 本書を読むきっかけになったのは、岡本裕一朗 著『いま世界の哲学者が考えていること』いま世界の哲学者が考えていることに思弁的実在論の入門書として紹介されていたからです。思弁的実在論の流行を作り上げたカンタン・メイヤスーの『有限性の後で:偶然性の必然性についての試論』(2016年翻訳)の前に読めば、実在論の理解が広がるだろうという紹介でした。

・思弁的実在論の4人組
 思弁的実在論は、メイヤスー自身とグレアム・ハーマン、レイ・ブラシエ、イアン・ハミルトン・グラントの4人が2007年に使い始めた呼称だそうです(p.11)。彼らはメイヤスーが相関主義と呼ぶ考えを拒否する姿勢を共有しています(p.12)。相関主義とは、主体と対象(主観と客観)、もっと一般的には思考と存在は、相互に構成しあい、依存するものとします(p.165)。われわれがいなくなった後の世界を想像できないし、環境科学などで人間中心主義はひっくり返ったはずが、相関主義の中にまだ残っているのです(p.127)。相関主義は少なくともカントのコペルニクス的転回までさかのぼることができ、現象学、初期ウィトゲンシュタイン、さらにラカン派の精神分析にも及んでいます(p.13-4)。
 シャヴィロはこの4人組を、相関主義の循環から外に出るやり方の違いで2つに分けます。一つは消去主義のメイヤスーとブラシエ、もう一つは汎心論のハーマンとグラントに。消去主義は物質が相関の外に存在するかぎり、それは単に受動的で不活性的で、意味や価値が消去されていると想定します(p.114)。環の外にある存在は思考を欠いているのです。もう一方の汎心論は、あらゆるものには精神がはたらいており、何らかの精神を持っているとします(p.122)。ハーマンとグラントは渋々これを認めるのですが、筆者のシャヴィロは積極的に肯定します。

・汎心論

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

モノたちの宇宙: 思弁的実在論とは何か を買う

アマゾンで購入する
河出書房新社から発売されたスティーヴン シャヴィロのモノたちの宇宙: 思弁的実在論とは何か(JAN:9784309247656)の感想と評価
2018 - copyright© アマゾン通販の感想と評価 all rights reserved.