ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム の感想

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カクヨムで連載中のSFゲーム小説、予想通り書籍化されました。
2115年の未来からみた低評価レトロゲームを紹介するブログ、という体裁で書かれた小説です。
VR、AR、人工知能、ナノマシン、ビッグデータ、サイバネクティス、ウェアラブル端末、ゲノム編集などなど、
既に世に出始めている技術からこれからの技術まで、未来のゲームに落とし込んでいく手腕がお見事。
ゲームについて書くことがSFになるなんて思いもよりませんでした。
登場するゲームのアイディアも本当に出そうなものが多くてスゴイです。

著者の赤野工作氏は「模範的工作員同志」の名義で世間的な低評価ゲームの再評価をし続けている人物。
この小説のコンセプトも「今後100年に渡って想定される低評価なゲームが発売される前に、既にもう100年前から先行して反論しておく」だそうで。
ゲーム狂とでも呼べそうな狂気すら感じる、深過ぎるゲーム愛をぜひとも感じとって欲しい一冊です。

なお、カバーイラストはそれ町の石黒先生ですが、本編にイラストはありません。
500ページ近いボリュームで一気読みには向かないので、その点だけは注意。
あとはチラホラ誤字があったので校正はもう少し頑張って欲しかったと思います。
ちょっとした誤字は見逃せますが、ピピンアットマークの説明は数字が矛盾してしまっています。