皇后美智子さまのうた の感想

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参照データ

タイトル皇后美智子さまのうた
発売日2014-06-06
製作者安野光雅
販売元朝日新聞出版
JANコード9784023313019
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

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購入者の感想

 皇后様のファンである。陛下と呼ばれるからではなく、一人の歌人として、一人の気高い生き方をする女性として尊敬し憧れているのだ。
 歌会始の新聞報道では真っ先に皇后様のお歌を読み、その後皇族方のお歌や公募入選された「詠進歌」を読むのだが、皇后様の暖かみと気品に富んだお歌に匹敵する方はおられないといつも感銘している。歌集も何冊か上梓されていると伺っているが読む機会がなかった。今回入手しやすい本が出版された機会に手に取った。本書は今年1月から3月にかけて『週刊朝日』に連載されたものをそのまま単行本にしたものだという。
 本書には安野光雅が選んだ、昭和34年から平成26年に亘って詠まれた短歌90首と長歌1首が掲載され、安野が挿絵とそれぞれに「感想文」を付している。のっけから文句をつけるが、この文章がひどい。皇后様を褒め称えたようだが、冗長な駄文で格調の低いことおびただしく、逆にお歌を傷つけてしまっている。皇后様と安野ではもともと品格が違うのだから、週刊誌に連載された時はともかく、一冊の本にまとめる時には出版社はよっぽど気を遣って欲しいと思う。仕方がないから安野の文は飛ばして読む。
 先ず皇后様の歌歴の長いのに驚く、ご成婚の年に詠まれたという一首
 「てのひらに君のせましし桑の実のその一粒に重みのありて」(昭和34年)
陛下(当時皇太子)が掌に乗せてくれた一粒の桑の実に重みを感じるという含蓄の深さと重さ、そのころから皇后様はただの歌人ではなかった。
 「慰霊碑は白夜に立てり君が花抗議者の花ともに置かれて」(平成12年)
 1首は両陛下かオランダで慰霊碑に献花されたとき、天皇の戦争責任を問う抗議者の供花と並べておかれた様を詠んだのだという。ともすれば侮蔑とも受けとれかねない状況のなか、このような冷静な複眼の思考には脱帽する他にない。
と思えばその反対に人間の持つ底知れない暗黒を震撼させるようなこんな歌もある。
 「知らずしてわれも撃ちしや春闌(たくる)バーミアンの野にみ仏在(ま)さず」(平成13年)

拝見しました。
あの高貴なお姿、意味深いうた。感動いたしました。
良書として皆様のお手元に届くこと切にこぼういたします。

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朝日新聞出版から発売された安野光雅の皇后美智子さまのうた(JAN:9784023313019)の感想と評価
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