模範六法2016 平成28年版 の感想

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模範六法2016、仕上がりはまずまずと思います。ただ六法としての性格が、やはり実務家用の卓上六法~法律事務所の応接室や法務局の窓口、議員事務所などに備え付けるモノ~に特化してきていると感じました。受験用、学習用六法としてなら模範小六法か判例六法で十分でしょう。この点は学生諸兄の受験される試験などによって選択は変わると思います。
模範六法2016は税法はしっかり載せてますし、収録法令や掲載判例数は多い。この点は問題はありません。ただ、一冊本にこだわっているために、いかんんせん重量感が半端じゃない。このため、模範六法POD版（オンデマンド版）として基本三法・行政法・商法会社法などの8セットで分冊化したものを別に用意しているようです。またデジタル六法として従来からのLOGO/VISTA版のCDロムに加え、iPhone、iPad用のアプリも用意されているようです（配信は12月からで模範小六法は1900円、模範六法は４８００円）。基本六法はA5版で3段組ですが他の法令は4段組なので、目の負担が重いと感じる方にはCDロム版やアプリ版のほうがいいかもしれません。
民法改正法案と刑事訴訟法改正法案は別冊化してあります。別冊では改正法案の後ろに現行法を呈示されています。これは見やすいと思いました。判例については網羅性はまずまずですが、判例の年月日を示すだけで要約と言えないモノもあり、我が国の判例六法として昭和32年から出されているにしては、少し後退気味？と感じます。
三省堂さんは判例コンメンタール等の編集実績がありますが、大家と言われる先生方が逝去されたりしておられれます。そういう中、行政法の判例編集をお一人の先生だけに押し付けるというのは少し無理があるのではと思いました。編集委員の世代交代など、六法編集はむつかしい側面がありますが、頑張っていただきたいです。