チャイナ・ナイン の感想

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タイトルチャイナ・ナイン
発売日2013-07-02
製作者遠藤 誉
販売元朝日新聞出版
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カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » アジア史 » 韓国・朝鮮史

購入者の感想

著者は本書で20年先の中国政治、社会を見極めようとしている。今秋選出される中共中央政治局常務委員9人の顔ぶれ、10年後のリーダーを予想している。「駆け足で書いた」というが、60年の中国観察歴、人脈を生かして中国高官に直接話を聞いた取材の深さ、内容の厚み、分析の明確さ、いずれも類書の群を抜いている。私は新書を中心にチャイナウォッチャーの本を毎年20冊以上読んできた。しかし現状で、本書に勝る中国の政治、社会変動の分析書はない。

毛沢東時代、すべての決定権は毛沢東にあった。しかし今の中国の大事は、常務委員9人の多数決で決まる。だから、トップ2が内定した今、この「チャイナ・ナイン」に誰が入るかが目下、中国政治最大の焦点だ。中共は5年に1回の幹部選出時68歳を超えると定年扱いになる。従って今の9人中、次の国家主席と首相以外の7人は今秋退任する。7人の穴は常務委員の一つ下のランクである政治局委員から選任される。政治局委員で年齢がクリアしているのは9人で、定年ボーダーを除くと7人。7人の1人、薄熙来・重慶市党書記の失脚で、定年ボーダーライン上の兪正声・上海市党書記と劉延東・国務委員の2人に目が出てきた。ただ、10年後の国家主席候補を常務委員に大抜擢する可能性もある。

ウォッチャーには常識だが、中国政治は、共産主義青年団OBを中心としたテクノクラートで正義感が強く改革を指向する胡錦濤派(団派)と、江沢民を中心とする上海閥(江派)、及び高官の子弟であり保守的な太子党の2派の闘争が続いている。江沢民が指名した太子党・習近平の国家主席内定で、江派・太子党が優勢となったが、胡錦濤率いる団派は、地方トップや党中央中堅に40、50歳代のメンバーを続々送り込んでおり、彼らが昇格する5年後にはひっくり返ると著者は見る。ネクストナイン候補も団派、江派で綺麗に色分けできるわけでもなく、両派にまたがる人物もいて、どちらが多数かは微妙だ。

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